ニュースで英会話

ニュースで英会話：NHKの革新的英会話番組

2009年度にNHK教育テレビジョンで放送開始された「ニュースで英会話」は、従来の語学番組とは一線を画す斬新なアプローチで注目を集めました。CEFRのB2レベルに相当するこの番組は、NHKワールドTVで放送されるニュース番組『NHK NEWSLINE』の最新ニュースを教材として活用。リアルタイムな英語表現を学ぶという、まさに“鮮度”が魅力の講座でした。

番組の特色

「ニュースで英会話」最大の特徴は、その教材と放送形態にあります。事前テキストは一切なく、放送は当日のみ。本放送と数回の再放送のみで、後日放送やアーカイブは提供されませんでした。これは、学習者にとって復習が困難というデメリットもありましたが、ニュースのタイムリーな情報を学習できるというメリットでもありました。この点から、従来の語学番組とは大きく異なる点といえます。ただし、学習者の要望に応えるため、2009年6月からは放送内容をまとめた事後テキストの販売が開始されました。

放送時間と編成変更

放送時間は年度ごとに変更されました。2009年度は木曜日に3回、2010年度は2回と、初期は比較的多くの放送枠が確保されていました。その後、2011年度はNHK全体の編成変更に伴い、再放送が一日遅れになるなど変遷が見られました。2012年度にはスタジオセットが刷新され、オープニングやコーナータイトルにアニメーションが導入されるなど、番組の印象も大きく変わりました。さらに、2013年度以降は土曜日の放送枠も追加され、視聴機会の拡大が図られました。2015年度からは「ニュースで英会話プラス」という5分間の追加番組も放送されましたが、2017年度には終了しています。

出演者

番組の顔役である講師陣は、鳥飼玖美子氏をはじめ、井上逸兵氏、Gary Scott Fine氏、Paul Nolasco氏、Lucy Birmingham氏といった多彩な顔ぶれでした。キャスター陣も、山内木の実氏、中川倫子氏、石井麻貴氏、サヘル・ローズ氏、吉竹史氏など、各年度で変化がありました。また、岡部徹氏や嶋津八生氏といったNHK解説委員が番組監修を務め、デーモン閣下も月1回の出演で番組を盛り上げました。その他、伊藤サム氏、Joseph Shaules氏、Jason Hatchell氏、松坂ヒロシ氏など、多くの講師が番組を支えました。

関連番組：「ワンポイント・ニュースで英会話」

ラジオ第2放送では、「ワンポイント・ニュースで英会話」という5分間の関連番組が放送されていました。こちらは、デジタル教育テレビのワンセグ2でも放送されていましたが、2012年3月のワンセグ2放送終了後も、ラジオ第2放送では継続されました。番組出演者は、大川久氏、伊藤サム氏、鳥飼玖美子氏、高松珠子氏らが務めました。また、デジタル教育第3チャンネルやBS1でも放送された時期もありました。

特別番組

「ニュースで英会話」では、ケータイ連動の双方向型全国一斉テストを生放送する「夏スペシャル」と「年末スペシャル」が放送されました。これらの特別番組は、視聴者参加型の企画として、番組の親しみやすさを高める役割を果たしました。

まとめ

「ニュースで英会話」は、ニュースを教材とした斬新なアプローチ、事後テキストの発行、放送時間や出演者の変更、関連番組の存在など、多角的な視点から検討できる魅力的な番組でした。その革新的な試みは、現代の語学学習番組にも影響を与えていると言えるでしょう。番組が終了した後も、その存在感は、NHKの放送史の中にしっかりと刻まれています。

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