ニューステップ

ニューステップ：イオングループの靴専門店から消えたブランド物語

ニューステップは、イオングループ傘下のジーフットが運営していた靴専門店でした。主にイオングループのショッピングセンター（SC）内に出店していましたが、他の靴専門店ブランド（ASBee、GreenBoxなど）や、イオングループ以外の靴専門店（ABCマートなど）と共存するケースも多くありました。大規模SCでは、ニューステップを含め複数の靴専門店が同時に営業していることも珍しくありませんでした。また、イオングループ以外のスーパーマーケット（イトーヨーカ堂、西友、長崎屋など）にも出店していました。

2009年2月、ニューステップを運営していたジーフットは、イオングループ内の別の靴専門店であるツルヤ靴店と合併しました。合併後も店舗名は「ニューステップ」のまま営業を続け、北海道から沖縄まで全国に展開するジーフット最大のブランドとなりました。その後、子供靴専門の派生ブランド「NUSTEP KIDS」も誕生させ、事業拡大を図りました。

しかし、2010年12月以降、ニューステップの新規出店は停止しました。そして、2012年10月、ジーフットがファミリー向け業態「ASBee fam.」を展開開始すると、一部のニューステップ店舗は改装の上、「ASBee fam.」へ業態転換しました。翌2013年には、子供靴専門の「NUSTEP KIDS」も「ASBee KIDS」へ転換されました。

その後も、閉店やブランド転換が相次ぎ、2015年7月には北海道、秋田県、埼玉県に6店舗のみが残る状況となりました。しかし、この後も店舗数の減少は続き、2020年6月には北海道の西帯広店1店舗のみとなりました。そして、この西帯広店も「ASBee fam.」へ転換されたことで、ニューステップブランドは完全に消滅しました。

ニューステップは、イオングループにおける靴専門店として長年に渡り営業を続けてきましたが、競争激化やグループ戦略の変化の中で、他のブランドに吸収合併、または業態転換を余儀なくされました。その歴史は、流通業界におけるブランドの盛衰、そして企業戦略の変遷を物語る一つの事例として、注目に値すると言えるでしょう。

ニューステップの変遷をまとめると

初期: イオングループのSCを中心に展開する靴専門店としてスタート。
2009年: ツルヤ靴店との合併によりジーフットに。店舗名は「ニューステップ」を維持。
2010年: 子供靴専門ブランド「NUSTEP KIDS」を展開開始。新規出店は停止。
2012年: 「ASBee fam.」の展開開始により、一部店舗が業態転換。
2013年: 「NUSTEP KIDS」が「ASBee KIDS」に転換。
2015年: 北海道、秋田県、埼玉県に6店舗に減少。
* 2020年: 最終店舗である西帯広店が「ASBee fam.」へ転換。ブランド消滅。

ニューステップの歴史は、市場環境の変化や企業戦略の転換によって、いかにブランドが盛衰するのかを示す良い例となっています。かつて多くの人に親しまれたこのブランドの歩みは、日本の商業史の一断面として記憶されるべきでしょう。

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