ニューベリー郡 (サウスカロライナ州)

ニューベリー郡の紹介

ニューベリー郡（英: Newberry County）は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州の中央部北西に位置する郡です。2010年の国勢調査によると、人口は37,508人となっており、2000年の36,108人から約3.9%の増加を見せました。郡庁所在地であり、最大の都市はニューベリー市（人口10,277人）で、ここから様々な歴史と文化が発信されています。郡の名称の由来には諸説あり、イングランドのニューベリーに由来すると考えられていますが、はっきりとした理由は不明です。

歴史

ニューベリー郡は1785年、ナインティシックス地区のヨーロッパ系アメリカ人によって設立されました。それ以前に、アメリカ独立戦争において幾度も戦場の舞台となりました。特に1780年のウィリアムのプランテーションの戦い、1781年のマッドリックの戦い、大きな影響を与えたブッシュリバーの戦いなどが挙げられます。郡庁所在地のニューベリーの町は1789年に設立され、当初はニューベリー・コートハウスと名付けられていました。

ニューベリー郡の経済は初め、主に自作農による農業が広がっていましたが、19世紀に入ると綿花プランテーションの設立が進みました。コットンジンの発明によって、綿花の加工は利益を上げる重要な産業となり、南北戦争前にはアフリカ系アメリカ人による奴隷労働が支えていました。この時期、アフリカ系アメリカ人は郡の人口の過半数を占め、彼らの労働によって多くのプランテーションが高収益を上げ、土地の所有者は社会的特権階級を形成しました。そして、1850年代初期には鉄道が敷設され、商業が発達し始めました。1856年にはルーテル教会によってニューベリー・カレッジが設立されています。

しかし、南北戦争は郡の成長を妨げ、多くの命が失われ、経済も停滞しました。戦後、奴隷が解放されると、レコンストラクション時代に社会的な変革が訪れます。1870年代後半には白人民主党が権力を取り戻し、選挙権を黒人から剥奪する政策が進行しました。この動きは1960年代半ばに公民権法が成立するまで続きました。

1880年代には綿糸製造工場が設立され、これが郡の経済基盤となりますが、それは白人労働者に限られていました。20世紀に入ると農業の機械化が進み、労働需要が減少、多くの黒人が北部や中西部に移住し、これを「アフリカ系アメリカ人の大移動」と呼びます。

地理

ニューベリー郡の全体面積は647平方マイル（約1,676平方キロメートル）で、陸地部分は631平方マイル（約1,634平方キロメートル）、水域は17平方マイル（約43平方キロメートル）です。水域は全体の約2.55%を占めています。隣接する郡にはユニオン郡、フェアフィールド郡、レキシントン郡、リッチランド郡、サルーダ郡、グリーンウッド郡、ローレンス郡があり、地域交流が活発です。

公的機関

ニューベリー郡には、上下水道を管理するニューベリー郡上下水道公社、電力を供給するニューベリー電力協同組合、天然ガスを供給するクリントン・ニューベリー天然ガス公社など、公共事業が整備されています。これにより、地域住民の生活を支える基盤が築かれています。

まとめ

ニューベリー郡は、その豊かな歴史と多様な文化遺産を持つ地域です。独立戦争から南北戦争、そして経済の変遷を通じて、多くの人々がこの地で生活と成長を繰り返してきたことが分かります。今後も地域の特色を活かしながら、新たな発展を目指す姿勢が期待されています。

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