ニューポール 28

ニューポール 28 (Nieuport 28)

ニューポール 28は、第一次世界大戦においてフランスで開発された複葉戦闘機で、アメリカ陸軍航空隊に初めて採用された機体として広く知られています。本機はギュスターヴ・ドラージュによって設計され、軽量で高機動性を持つ特性を元に、新しい戦闘環境へ適応させる試みの一つでした。特に、アメリカ軍においては必要不可欠な戦闘機として活用され、その運用歴は独特なものとなっています。

設計と開発

1917年中頃、フランス空軍はニューポール戦闘機の性能不足が顕著になり、特に敵の新鋭戦闘機に対抗できない状況が明らかとなっていました。ニューポール 28は、軽量で高機動性のロータリーエンジン戦闘機という設計理念のもと、従来のニューポール機の形を改良して開発されました。

この機体は、強力なエンジンと最新の同調機銃2挺が搭載されており、翼の構造も改善されました。新たに採用された上下翼を2本の支柱で支えるスタイルは、従来のV型支柱と比べて安定性が向上しました。ただし、尾部はニューポール 27に似た形状を保ちつつ、非常に細い胴体設計を採用しており、機関銃は左にずらして取り付ける必要がありました。

運用歴

ニューポール 28が1918年初めに登場した際、フランス軍ではすでにSPAD S.XIIIが主流となっていたため、その需要は低下していました。しかし、アメリカ陸軍航空部は新たな戦闘機の確保に苦慮しており、SPADの使用が難しい状況を受けてニューポール 28が採用されることとなりました。合計297機が調達され、1918年3月からアメリカ軍の追撃飛行隊に配備されました。

特に第94飛行隊では、アラン・ウィンズロー中尉とダグラス・キャンベル中尉がニューポール 28で敵機を墜落させ、アメリカの戦闘機部隊として初めての戦果を上げました。歴史的な瞬間として、クウェンティン・ルーズベルトやエディー・リッケンバッカー大尉ら著名なパイロットがこの機体で戦闘を経験しました。

しかし、ニューポール 28は性能が平凡である上、エンジンの信頼性にも乏しい問題がありました。特に、翼の外皮に関しても戸外の環境に対する脆弱性があり、後半部分の帆布が膨らむ事例が見られたため、早期に改善が求められました。このような背景の中、アメリカ軍はSPADの利用が可能になると速やかにニューポール 28を退役させ、1918年7月の時点で機種変更が完了しました。

大戦終結後、一部のニューポール 28はアメリカに戻る部隊と共に大西洋を渡りました。また、スイスやギリシャがそれぞれ少数の機体を受け取るなど、異なる国々でも運用されることとなりました。

性能諸元

• - 乗員: 1名
• - 全長: 7.8 m
• - 全高: 2.5 m
• - 翼幅: 8.1 m
• - 空虚重量: 475 kg
• - 最大速度: 184 km/h
• - 航続距離: 349 km
• - 武装: 7.7 mmヴィッカース機銃 ×2

まとめ

ニューポール 28はその短い運用歴の中で重要な役割を果たしましたが、全体的な性能には限界がありました。それでもアメリカ陸軍航空隊におけるその歴史的背景や、著名なパイロットたちとの結びつきは評価され、多くの航空機ファンにとって忘れられない存在となっています。

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