ニューマドリッド地震帯

ニューマドリッド地震帯

ニューマドリッド地震帯（New Madrid Seismic Zone）は、アメリカ合衆国中西部に位置する、広大な活断層帯です。イリノイ州、ミズーリ州、アーカンソー州、ケンタッキー州、テネシー州、ミシシッピ州の6つの州にまたがり、ニューマドリッド断層とも呼ばれています。この地震帯は、概ねミシシッピ川に沿って南北に伸びているのが特徴です。

地震発生の周期と過去の地震

この地震帯では、約300年から500年の間隔で大地震が発生すると考えられています。近年発生した地震としては、1811年から1812年の冬季に連続して発生したニューマドリッド地震が挙げられます。この地震は、マグニチュード7を超える巨大地震であり、周辺地域に大きな被害をもたらしました。

地震帯の構造

ニューマドリッド地震帯の応力場は東西圧縮であり、主に北東から南西走向の右横ずれ断層と、北北西から南南東走向の逆断層から構成されています。この複雑な断層構造が、地震の発生メカニズムに影響を与えていると考えられています。

現在の地震活動

現在、ニューマドリッド地震帯では、マグニチュード2程度の微小地震が頻繁に発生しています。21世紀以降では、2005年にマグニチュード4.2と4.1の地震が発生しました。これらの地震活動については、専門家の間でも意見が分かれており、「この地域が現在も活発な変動帯であることを示す」という見方と、「1811年のニューマドリッド地震などの余震に過ぎず、長期的に見れば地震活動は低調な地域である」という見方があります。

変位速度の推定

Van Arsdale (2000)の研究によると、この地震帯の過去8000万年間の平均変位速度は0.0009mm/年、過去2400年間では4.4mm/年と推定されています。これらの数値は、地震帯の活動状況を長期的な視点から把握する上で重要な指標となります。

関連事項

断層
地溝
* 内陸地殻内地震

まとめ

ニューマドリッド地震帯は、過去に巨大地震を引き起こした活断層帯であり、現在も微小地震が頻発しています。地震発生のメカニズムや今後の活動については、未解明な部分も多く、継続的な観測と研究が不可欠です。この地震帯は、アメリカ中西部において潜在的な地震リスクを抱えており、防災対策の重要性が指摘されています。

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