ニューマドリード郡 (ミズーリ州)

ニューマドリード郡の概要

ニューマドリード郡（New Madrid County）は、アメリカ合衆国ミズーリ州の南東部にある郡で、特にブートヒール地域に位置しています。2010年の国勢調査によると、人口は18,956人で、2000年の19,760人から4.1%の減少が見られました。郡庁所在地はニューマドリード市で、人口は3,116人と、郡内では最も多い都市です。

この郡は1812年の10月1日に設立され、名の由来はスペインの首都マドリードに関連しています。かつてこの地域はスペインの支配下にあり、設立に際して「ヌエボ・マドリード」という名称が与えられました。

歴史的背景

ニューマドリード郡の歴史は、1781年にフランス系カナダ人が上陸した時期にさかのぼります。この地域に設立された開拓地が現在のニューマドリード市となり、その後、1812年の郡設立へと繋がりました。

特に、1811年から1812年の間には、約1,000回に及ぶ大規模な地震がこの地域を襲いました。いわゆるニューマドリード地震は、アメリカ合衆国の沈み込み帯以外の地域で最も強力な地震とされ、マグニチュード9.0に達したと考えられています。この地震によって地域住民は大きな影響を受け、当時のミズーリ準州知事であるウィリアム・クラークが連邦政府に救済を要請しました。

地理と交通

ニューマドリード郡の面積はおおよそ698.02平方マイル（1,807.9平方キロメートル）で、その大部分は陸地（678.01平方マイル）です。水域は20.01平方マイル（約2.87%）に及びます。この地域は、州間高速道路55号線やアメリカ国道60号線、61号線、62号線などの主要な交通路が通っています。

隣接する郡としては、北にスコット郡、北東にミシシッピ郡、東にケンタッキー州のフルトン郡、南東にテネシー州のレイク郡、南にペミスコット郡、南西にダンクリン郡、北西にはストッダード郡が存在します。

人口と教育

2000年の国勢調査によると、ニューマドリード郡内の25歳以上の成人のうち、約63.6%が高校卒業者であり、9.6%が学士以上の学位を有しています。この教育水準は、地域の発展にとって重要な要素となっています。

宗教的背景

この郡は福音主義プロテスタントが多数を占める「バイブル・ベルト」として知られており、南部バプテスト連盟が62.86%の信徒を持ちます。続いてローマ・カトリック教会やメソジスト教会の信徒もおり、信仰が地域文化に色濃く影響を与えています。

政治的傾向

ニューマドリード郡では地方レベルで民主党が強い支配力を持っており、郡内の選挙ではその影響が顕著です。大統領選挙においては二大政党の競争がありつつも、特に貧困層の多いブートヒール地域に属するこの郡は、民主党寄りの傾向が見られます。

文化的には社会的保守性を持ちながら、経済問題に関してはやや中道的または人民主義的な意見が支持されることが多いです。例えば、2004年の州民投票において結婚の定義を男と女の結合とする憲法改正案を圧倒的多数で支持しました。

このように、ニューマドリード郡はその地理的特性、豊かな歴史、そして多様な文化的背景を持つ地域として、独自の魅力を放っています。

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