ニューヨーク・ニュージャージー方面作戦

ニューヨーク・ニュージャージー方面作戦は、アメリカ独立戦争の重要な局面のひとつであり、1776年から1777年の冬を通じて、ニューヨーク市とニュージャージーの支配を巡って展開された戦闘の連続を指します。この戦争の中で、英国のウィリアム・ハウ将軍が率いる軍と、大陸軍の指揮官であるジョージ・ワシントン将軍との間に壮絶な戦闘が繰り広げられました。

戦闘は、ハウがワシントン軍をニューヨーク市から追い出すことに成功したものの、ニュージャージーまで進出し過ぎたため、1777年の初頭には、ニューヨーク市近郊に数カ所の前進基地を設置するにとどまりました。以降、イギリス軍はニューヨークを戦争の残り期間にわたり占有し、他の作戦に向けた基地として活用しました。

戦の背景

1775年4月に始まったアメリカ独立戦争は、すぐに激しい戦闘へと発展しました。イギリス軍はバンカーヒルの戦いで勝利を収めるも、その代償が大きかったことがロンドンに伝わり、ハウ将軍とジョージ・ジャーメイン卿は、ニューヨーク市を制圧するための大規模な軍の集結を決定しました。

反面、ワシントンはニューヨークを防衛すべき重要な地点と位置付け、1776年初頭から準備を進めていました。3月にはボストンからの軍がニューヨーク市の防衛に取り組み始め、ワシントン自身もその指揮を執るようになります。7月にはイギリス軍がスタテンアイランドに上陸し、8月にはロングアイランドで戦闘が勃発しました。

この時期、イギリス軍は19,000名の兵力で襲いかかってきたため、大陸軍はマンハッタンおよびその周辺での防衛を余儀なくされます。それでも、ワシントン軍は数回の撤退を経て防衛陣地を確保し続けました。

ニューヨーク市の占領

1976年8月のロングアイランドの戦いでは、イギリス軍が大陸軍を押し込む形で勝利しましたが、ワシントンは夜陰に紛れて自軍をマンハッタン島へと撤退させました。ハウはマンハッタンに主要部隊を再配置し、10月にはワシントン軍を追い詰めることとなりましたが、ワシントンは巧妙な撤退を続けました。

ホワイトプレインズの戦いを経た後、ワシントンはニュージャージーに退却し、イギリス軍はニューヨークとその周辺を占領しました。この時期、ハウはフィラデルフィアを目指す作戦を開始しますが、1797年にはサラトガにて別の指揮官の率いる部隊が降伏する事態となります。

複雑な状況

アメリカ独立の運動は日増しに困難を極めており、ワシントンの指揮下にある大陸軍の士気は落ち込み始めました。特に、徴兵期間満了や脱走者の増加は深刻な問題となり、戦の行く先が不透明になっていくのです。また、イギリス軍はニューヨーク市での支配を強化し、小競り合いをしつつも勢力を維持しました。

1776年の年末にワシントン軍は再度の反撃を図ります。彼は大陸軍に士気を取り戻させ、トレントンとプリンストンでの勝利を獲得したことで、一時的に主導権を取り戻すことに成功します。この一連の戦闘により、アメリカ独立戦争の行方が変わる重要な局面を迎えることになりました。

結論

ニューヨーク・ニュージャージー方面作戦は、アメリカ独立戦争において両軍にとって重要な意味をもたらしました。戦いの結果、イギリス軍は主要都市を抑える一方で、ワシントンは決定的な軍事的圧力を逃れることに成功し、その後の展開に寄与しました。今やアメリカにとって独立を勝ち取る道は再び開かれることとなるのです。

もう一度検索