ニュー・オリジナル・コレクション

ニュー・オリジナル・コレクション（NOC）

『ニュー・オリジナル・コレクション』、略称NOC（ノック）は、日本の吹奏楽シーンにおいて、近年特に注目を集める作曲家たちが手掛けた作品群を集約したCDシリーズです。このコレクションは、現代日本の吹奏楽作品の多様性と質の高さを紹介することを目的として企画されました。

シリーズの大きな特徴の一つは、収録されている楽曲が、主に吹奏楽コンクールなどを通じて多くの耳目を集める日本人作曲家たちの最新または代表的な作品で構成されている点です。これにより、聴衆は現代の日本の吹奏楽がどのような進化を遂げているのかを知ることができます。収録されている作曲家には、高橋伸哉、飯島俊成、坂井貴祐、酒井格、清水大輔、戸田顕、八木澤教司、天野正道、高橋宏樹、福島弘和、松尾善雄、石毛里佳、建部知弘、櫛田胅之扶、真島俊夫、木下牧子、鈴木英史、長生淳、中橋愛生、星出尚志、後藤洋、鋒山亘、堀内俊男、福田洋介、江原大介といった、現代日本を代表する才能豊かな面々が含まれています。例えば、高橋伸哉の「写楽」や「ゴールド・ラッシュ！」、飯島俊成の「河は大地を緑に変えた」、酒井格の「三角の山」、清水大輔の「インプルーヴィング・ダンス 〜4エピソード〜」、八木澤教司の「「ナスカ」-地上に描かれた遥かなる銀河」、天野正道の「抑圧から解放へ」など、吹奏楽ファンにはお馴染みの、あるいは新たな発見となるであろう意欲的な作品が数多く収められています。

CDの解説ブックレットもこのシリーズの重要な要素です。各楽曲について、作曲者自身がその曲に込めた意図や背景、そして演奏する上での重要なポイントや解釈について詳しく解説を寄せています。これにより、単に音楽を聴くだけでなく、作曲家の声を通じて作品への理解を深め、より豊かな音楽体験を得ることが可能となっています。演奏者にとっては、作曲者本人の指示やニュアンスを知る上で貴重な資料となります。

演奏を担当しているのは、日本の最高レベルを誇るプロフェッショナルな音楽隊です。具体的には、陸上自衛隊中央音楽隊（複数のトラックを担当）をはじめ、陸上自衛隊中部方面音楽隊、航空自衛隊西部航空音楽隊、海上自衛隊東京音楽隊といった、それぞれが国内外で高い評価を受けている自衛隊の各音楽隊が参加しています。これにより、各楽曲は最高の技術と表現力をもって具現化されています。指揮者も菅原茂、武田晃、樋口孝博、井田康男、村田茂、水科克夫、芳賀大輔、河邊一彦など、経験豊富な指揮官たちが名を連ねています。これらの優れた演奏陣と指揮者陣によって、作曲家たちの意図が最大限に引き出された演奏が実現しています。

このシリーズのCDおよび収録楽曲の楽譜は、日本の主要な音楽出版社であるブレーン株式会社からリリースされています。これにより、演奏団体や個人は、CDで作品の演奏例を聴きつつ、楽譜を入手して実際に演奏に取り組むことが可能です。

収録されている楽曲の構成に関して、多くのトラックでは最後の曲がそのCDの「タイトル曲」的な位置づけとなっている傾向がありますが、「エスティロ・デ・エスパーニャ・ポル・ケ?」のように、最初に配置されている例も見られます。各ディスクごとに独自の構成が考えられていることがうかがえます。

『ニュー・オリジナル・コレクション』は、現代日本吹奏楽の「今」を知る上で、非常に価値のある資料であり、聴く者にとって新たな発見や感動を提供するシリーズと言えるでしょう。

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