ニュー・ミュータント

映画『ニュー・ミュータント』の概要

『ニュー・ミュータント』（The New Mutants）は、2020年に公開されたアメリカのスーパーヒーロー[[映画]]で、ジョシュ・ブーンが監督を務めました。本作は、20世紀スタジオが制作した「X-MEN」シリーズの第13作目であり、これまでの作品とは異なり、青春ホラーという路線を採用しています。従来のキャラクターは登場せず、新たな若者たちの物語が展開されます。

公開までの経緯

映画の公開は何度も延期され、もともと2018年4月に予定されていましたが、その後何度か日程が変更され、最終的には2020年8月28日に公開されました。この延期の原因には、20世紀フォックスの買収に伴う公開体制の変更や、新型コロナウイルスの影響による映画館の閉鎖が挙げられます。公開までの間に追加撮影が行なわれたとの情報もありましたが、最終的にはジョシュ・ブーン監督が最初に完成させた版が公開されたことになります。

また、日本では本作が劇場公開されることはなく、2021年3月31日からビデオスルーで20世紀スタジオ ホーム エンターテイメントによってリリースされ、デジタル配信も開始されました。

ストーリーの概要

物語は、ある少女のモノローグから始まります。「父は心の中には良い熊と悪い熊が住んでいると言った。『どちらが勝つの？』と私はたずねた。それは自分次第だよ」と父は答えました。その後、風に襲われたネイティヴ・アメリカンの保留地で、主人公ダニーは父親と共に避難しますが、彼女は父が何者かに殺される現場を見てしまいます。気がつくと、ダニーは拘束されており、ドクター・セシリアからこの場所がミュータントの隔離施設であることを告げられます。彼女のように自分の力を制御できない若者たちの治療が行われているのです。

ダニーは、同じ施設にいる他の4人の若者、イリアナ、レイン、サム、ロベルトと出会います。最初はイリアナから差別的な発言を受け、対立関係になりますが、次第に優しく接するレインと親密になっていきます。そして、彼らはそれぞれに超能力と、それに関連した痛ましい過去を抱えていました。

映画の展開

ダニーは自分が超能力を持っていることに気づきませんが、施設で薬物治療を受けることになります。しかし、やがてダニーの能力が覚醒し、施設内を笑顔のマスクを被った謎のモンスターが徘徊するようになります。この怪物はダニーの能力によって生じた幻覚であり、やがて実際に危害を加える存在となります。施設の運営者であるエセックス・コーポレーションは、ダニーの処分を命じ、安楽死の計画が持ち上がります。

だが、レインがパニックに陥り、セシリアに重傷を負わせる場面が発生。イリアナは、自身にまつわる秘密文書を見つけ出します。それは彼女を殺人犯として育成する計画でした。この施設自体がX-MENとは無関係であることが次第に明らかになります。

最終的にはダニーたちがセシリアに立ち向かい、彼女が自ら超能力を発動して抗戦に出ますが、ダニーの内面的な恐怖が具現化した熊のモンスターが現れて彼女を襲います。ダニーは自らの過去の記憶と向き合い、力を制御することに成功し、結局は彼女と仲間たちが廃墟となった施設から離脱することになります。

キャスト

本作には、多彩なキャストが名を連ねています。イリアナ役はアニャ・テイラー＝ジョイが務め、ダニー役はブルー・ハント、レイン役はメイジー・ウィリアムズ、サム役はチャーリー・ヒートンが担当しています。また、セシリア役にはアリシー・ブラガが起用されています。

評価

『ニュー・ミュータント』は批評家から賛否が分かれており、Rotten Tomatoesでは126件の評論中、35%が高評価を記録しています。Metacriticにおいても評価は分かれ、平均点は43点という結果が出ています。様々な要素を生かしきれていないという指摘もありながら、漫画原作の特異な一面を楽しむファンにとっては興味深い作品に仕上がっているとも言えるでしょう。

もう一度検索