ネイマン・グレイシー

ネイマン・グレイシー（Neiman Gracie）は、1988年12月12日にブラジルのリオデジャネイロ州リオデジャネイロで生まれた、プロの総合格闘家であり、著名なブラジリアン柔術家です。日本国内のメディアでは、「ニーマン・グレイシー」と表記されることもあります。現在、彼はアメリカ合衆国に生活の拠点を置いており、ブラジリアン柔術界の伝説的な人物である「フェイマス・ファイブ（Famous Five）」の一人、マルシオ・スタンボスキ氏を父に、そしてブラジリアン柔術の普及に大きく貢献したヘンゾ・グレイシー氏の姉であるカーラ・グレイシー氏を母に持つ、格闘技の名門であるグレイシー一族の第四世代に位置づけられる存在です。彼はヘンゾ・グレイシー柔術アカデミーに所属しています。

来歴

ネイマン・グレイシーは、幼い頃から格闘技の才能を開花させ、12歳を迎える頃にはブラジリアン柔術の競技大会に出場し始めました。柔術家としてのキャリアを通じて、彼は数々の権威ある国際トーナメントで目覚ましい成績を収めています。例えば、世界柔術選手権や世界ノーギ柔術選手権、パン柔術選手権といった主要な大会で、複数のメダルを獲得しており、そのグラップリング技術の高さは早くから世界に知られていました。彼はブラジリアン柔術における最高ランクである黒帯を保持しています。

競技柔術での輝かしい実績を背景に、ネイマン・グレイシーは2013年に総合格闘家としてプロデビューを果たしました。キャリアの初期には、ワールド・シリーズ・オブ・ファイティング（WSOF）といったプロモーションで経験を積んでいます。

Bellatorでの活動

彼の総合格闘技キャリアにおける主要な舞台は、世界的なメジャープロモーションであるBellatorでした。Bellatorではウェルター級の中心選手として活躍しています。

特に印象的な試合としては、2018年12月15日に行われたBellator 213でのウェルター級ワールドグランプリ準々決勝が挙げられます。この試合では、彼と同様にキャリア無敗を誇っていたエド・ルース選手と対戦し、第4ラウンドに得意のリアネイキドチョークで一本勝ちを収め、強烈なインパクトを残しました。

しかし、続く2019年6月14日のBellator 222で開催されたウェルター級ワールドグランプリ準決勝、同時にBellator世界ウェルター級タイトルマッチとして行われた王者ローリー・マクドナルド選手との一戦では、フルラウンドに及ぶ戦いの末に0-3の判定で敗れ、キャリア初黒星を喫すると同時に王座獲得も逃しました。

その後もBellatorのウェルター級トップ戦線で戦い続けましたが、2021年4月2日のBellator 255ではランキング6位のジェイソン・ジャクソン選手に、2022年2月19日のBellator 274ではランキング5位のローガン・ストーリー選手に、それぞれ0-3の判定で敗れるなど、厳しい局面も経験しています。

柔術での主な獲得タイトル

ネイマン・グレイシーは柔術競技において、帯の色や階級を問わず数多くの実績を残しています。以下にその一部を示します。

世界柔術選手権 青帯ミディアムヘビー級 3位（2005年）
パン・アメリカン柔術選手権 紫帯ミディアムヘビー級 3位（2007年）
全米柔術選手権 紫帯スーパーヘビー級 優勝（2007年）
世界柔術選手権 紫帯スーパーヘビー級 3位（2008年）
パン柔術選手権 紫帯スーパーヘビー級 優勝（2008年）
パンノーギ柔術選手権 紫帯ヘビー級 優勝（2008年）
ニューヨーク国際オープン柔術選手権 紫帯ミディアムヘビー級 優勝（2009年）
グラップラーズ・クエスト 茶帯ヘビー級 優勝（2011年）
世界ノーギ柔術選手権 黒帯ヘビー級 3位（2013年）
ニューヨーク国際サマーオープンノーギ柔術選手権 黒帯ヘビー級 準優勝（2015年）

これらの実績は、彼が総合格闘技の世界に入る以前から、柔術家としていかに高い実力を持っていたかを物語っています。グレイシー一族の伝統を受け継ぎながら、独自のキャリアを築いているネイマン・グレイシーは、今後も総合格闘技界で注目される存在です。

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