ネオプラン・スペースライナー

スペースライナー（Spaceliner）

スペースライナーは、ドイツのゴットロープ・アウベルター社によって製造されているスーパーハイデッカー観光バスです。ネオプランブランドの中でも特に居住性を重視して設計されたこのバスは、一部のバス会社で未だに活躍しています。

概要

このモデルは1979年に開発され、特に居住性を向上させるために独自の設計が施されています。一般的なダブルデッカーは天井の高さが乗客の快適性に影響を与えるため、スペースライナーでは1階部分を運転席とトランクルームに限定し、2階席の快適さを追求しました。また、乗客の乗降は側面中央部に設置されたドアから行うため、スムーズなアクセスが可能です。さらに、1994年には15メートルの車体を持つ「メガスペース」が派生型として発表され、さらなる選択肢が提供されています。

日本での展開

スペースライナーは1980年に中央交通によって日本に輸入され、その年に初めて姿を現しました。当時の日本の法規制では、UFC（アンダーフロア・コックピット）仕様のバスはダブルデッカーとして認識されており、ステップ部にミニサロンを設置したタイプも存在しました。日本市場では「2階だけバス」として扱われ、特にケスボーラー・ゼトラと並び、希少なタイプとされています。続いて、いすゞ・スーパークルーザーUFCが導入されるなど、UFC仕様の観光バスが各メーカーから販売される流れを生み出しました。また、スペースライナーには2軸（N117/2）と3軸（N117/3）仕様があり、2軸型の中にはUDトラックス（旧:日産ディーゼル）のエンジンを搭載した車両もあります。

エピソード

1988年8月には、中央交通が主催した特別なイベントにスペースライナーが使用されました。このイベントは、ドイツのシュトゥットガルトから上海までの約18,600kmを陸路で走破するものでした。その際に搭載されていたエンジンはイベコ-マギルス製の空冷エンジンでした。これはスペースライナーの耐久性とパフォーマンスを示す一例となっています。

関連情報

スペースライナーの日本における販路は中央交通が担当しており、ネオプランの日本における総代理店として重要な役割を果たしています。また、スカイバス東京では、最初はダブルデッカーを改造した車両を使用していましたが、乗客が1階席を利用しないスタイルが受け入れられたことで、スペースライナーを新たに増備車両として選定しました。

結論

スペースライナーはその独自の設計思想と高い居住性によって、観光バスの分野で特異な存在感を示しています。未だに日本国内での運行が続き、多くの人々に利用されていることからも、その魅力は衰えていません。観光地へのアクセスを考慮した快適な移動手段として、今後も支持されていくことでしょう。

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