ネオメロドラマティック/ROLL

ポルノグラフィティ17作目のシングル「ネオメロドラマティック／ROLL」：両A面シングルが記録的大ヒット

2005年3月2日、SME Recordsよりリリースされたポルノグラフィティの17作目のシングル「ネオメロドラマティック／ROLL」。5thアルバム『THUMPχ』のリードシングルとして発表されたこの作品は、彼らのキャリアにおいて重要な位置を占める一枚です。

まず特筆すべきは、本作がポルノグラフィティ初の両A面シングルであるという点です。ダブルフェイスシングルとも称されるこのシングルは、「ネオメロドラマティック」と「ROLL」という、全く異なる魅力を持つ2曲を両A面に配置。それぞれが異なるタイアップソングとして起用されたことで、幅広いリスナーにアプローチすることに成功しました。

「ネオメロドラマティック」は、ダイハツ工業「ムーヴカスタム」のCMソングとして2005年1月から4月にかけて放送されました。タイトルは「ネオ」「メロドラマ」「ドラマティック」を組み合わせた造語で、新藤晴一は「響きから付けた」とコメント。楽曲には「現状に折り合いつけている幸せ」とは真逆の、「折り合えていることへの苛立ちや焦燥感」が表現されています。サポートメンバーのnang-changは、この曲を「ポルノグラフィティの本道をいってる曲」と評しました。2004年12月の『5th Anniversary Special Live "PURPLE'S"』で初披露され、その後、より洗練されたボーカル録りを行うために、ライブ後にもレコーディングが行われました。ライブでは、新藤晴一がモッキンバード（B.C.Rich）やPRIME（Killer）など様々なギターを使用し、楽曲のアレンジに幅を持たせていました。また、PSP用ゲームソフト『太鼓の達人 ぽ〜たぶる』にも演奏曲として収録されました。

一方の「ROLL」は、武田食品工業「C1000タケダ ビタミンレモン」のCMソングとして使用されました。岡野昭仁は、自身で制作した楽曲の中で初めて納得できた作品だと語っており、2003年頃に制作された楽曲に、タイアップ決定後に歌詞が書き加えられました。ミュージックビデオは、水彩画のアニメーションと屋上の実写映像で構成され、シングルとしては初めてメンバーが出演していない作品となりました。監督を務めた尾小山良哉は、「独り暮らしの女性がめぐりゆく季節の中で、強く生きる姿を描いた」と語っており、CMでも同じ屋上の実写映像を使用することで、MVとCMの間に繋がりを持たせています。

さらに、本作には「プッシュプレイ (LIVE!)」も収録されています。これは『5th Anniversary Special Live "PURPLE'S"』のアンコールで先行披露された新曲で、同ライブの音源がそのまま収録されました。スタジオ音源は、後発の5thアルバム『THUMPχ』に収録されています。

「ネオメロドラマティック／ROLL」は、アルバムリードシングルながら『ヴォイス』以来となる10万枚を超える初動売上を記録。Tama脱退後最高の初動売上となり、『シスター』に次ぐ2番目の売上を記録するなど、商業的な成功も収めました。両A面という挑戦的なフォーマット、そしてそれぞれの楽曲が持つ個性、そして高い音楽性。これらが相まって、「ネオメロドラマティック／ROLL」はポルノグラフィティの代表作として、多くのファンに愛され続けています。楽曲に参加したミュージシャンは、ドラム、パーカッション、管楽器、シンセサイザー、ギターなど多岐に渡り、それぞれの演奏が楽曲に深みを与えています。

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