ネゲヴ・ベン＝グリオン大学

ネゲヴ・ベン・グリオン大学：イスラエル南部の発展を支える総合大学

ネゲヴ・ベン・グリオン大学は、イスラエル南部、ネゲヴ砂漠の中心に位置するベエルシェバにキャンパスを構える国立大学です。1969年、ネゲヴ大学として設立された歴史を持ち、イスラエル建国の父であり初代首相を務めたダヴィド・ベン・グリオンの名を冠するに至ったのは、彼がネゲヴ砂漠の開発に大きな期待を寄せていたことに由来します。

大学の設立目的は、イスラエル国土の約6割以上を占めるネゲヴ砂漠地域の開発を促進することでした。この目的は、建国以来続くイスラエルの国家プロジェクトと深く関わり、現在も大学活動の重要な柱となっています。

現在、ネゲヴ・ベン・グリオン大学には約2万人の学生が在籍し、多様な分野で活発な研究活動が行われています。近年注目すべきは、大学とイスラエル国防軍、そして産業界が連携し、防衛・セキュリティ分野における研究開発を推進する体制が構築されている点です。イスラエル国防軍の特殊情報部隊が大学の近くに設置され、その要員が大学で教育を受けるなど、産学官連携によるイノベーション創出が盛んに行われています。また、大学周辺には学研都市が形成され、活気あふれる研究環境が育まれています。

広大なキャンパスと多様な学部

ネゲヴ・ベン・グリオン大学は、5つのキャンパスを有する大規模な大学です。そのうち3つはベエルシェバ市内、1つはネゲヴ砂漠のキブツ・シェデ・ボケール（ベン・グリオンが晩年を過ごし、没後埋葬された場所）、そしてもう1つは北部エイラートに位置しています。

多様な教育・研究活動を支えるために、以下のような学部と付属学校を擁しています。

学部:

基礎工学部
健康科学部
自然科学部
人文社会科学部
ギルフォード・グレイザー経営学部

付属学校:

クレイトマン高度大学院
ジョイス・アンド・アービング・ゴールドマン医学校
レオン・アンド・マティルド・レカナティ地域保健専門学校
薬学部
医学検査科学学校
* 継続医学教育学校

これら多様な教育機関を通して、学生たちは幅広い専門知識と実践的なスキルを習得し、イスラエル社会の発展に貢献できる人材へと育成されています。

著名な卒業生と教職員

ネゲヴ・ベン・グリオン大学は、多くの著名な卒業生を輩出しています。政治家、スポーツ選手など、様々な分野で活躍する人材が、この大学で培われた知識と経験を活かして社会に貢献しています。また、世界的に著名な研究者や教育者も多数在籍しており、質の高い教育と研究環境を提供しています。具体的には、シルバン・シャローム氏（政治家、閣僚経験者）、シェリー・ヤヒモビッチ氏（政治家、労働党党首）、モルデハイ・ヴァヌヌ氏（元核兵器開発技術者）、アナスタシア・グルシュコフ氏（アーティスティックスイミング選手、オリンピック出場）などが、著名な卒業生として挙げられます。さらに多くの教職員がそれぞれの専門分野で高い評価を得ており、大学の国際的な評価を高めることに貢献しています。

ネゲヴ・ベン・グリオン大学は、ネゲヴ砂漠の開発という歴史的使命を担いながら、イスラエルの未来を担う人材育成と研究活動に精力的に取り組む、重要な教育機関です。今後ますますその役割が重要となることが期待されます。

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