ネズミシメジ

ネズミシメジ（Tricholoma virgatum）

ネズミシメジは、キシメジ科に属するキノコで、主に秋の季節に針葉樹林で見かけることが多いです。この菌は、特にモミの木、アカマツ、ツガなどが生えている場所に発生し、時にはブナ林でも見ることがあります。名前に反して、このきのこは食用としては適しておらず、むしろその独特の外見から、よく似たシモフリシメジと混同されることがありますが、注意が必要です。

外見

ネズミシメジの特徴は、その傘の色にあります。傘の表面はネズミ色で、黒っぽい繊維状の模様が放射状に広がっています。傘の形は初めは円錐型で、成長すると開いていきますが、中央部分は突出したまま形を保ちます。傘の裏側にはヒダがあり、最初は白色ですが、成長するにつれて灰白色へと変わり、湾曲した形状をしています。柄の色は白で、一般的には上下同じ太さを持ちますが、基部がわずかに太くなる場合も見られます。

中毒性

このきのこは有毒であるため、食べることは推奨されません。苦味と辛味があり、摂取した際には吐き気、下痢、脱水症状といった胃腸系の中毒症状を引き起こす可能性があります。これらの症状が発生した場合は、速やかに医療機関での診察を受けることが重要です。

参考文献

• - 長沢栄史監修、安藤洋子ほか著『日本の毒きのこ』学習研究社、2003年 (ISBN 4054018823)
• - 本郷次雄監修、幼菌の会編『カラー版　きのこ図鑑』家の光協会、2001年 (ISBN 4259539671)
• - 前川二太郎監修、トマス･レソェ著『世界きのこ図鑑』新樹社、2005年 (ISBN 4787585401)
• - 小宮山勝司著『きのこ大図鑑』永岡書店、2008年 (ISBN 9784522423981)
• - 今関六也ほか編『日本のきのこ』山と渓谷社、1988年 (ISBN 4635090205)

関連項目

シモフリシメジ - ネズミシメジと似た特徴を持つきのこです。

外部リンク

ネズミシメジ - 厚生労働省
* ネズミシメジ - 農林水産・食品産業技術振興協会

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