ネナド・ジモニッチ

ネナド・ジモニッチ（Nenad Zimonjić）は、1976年6月4日生まれ、セルビア・ベオグラード出身の男子プロテニス選手です。長身を生かしたプレーで、ダブルスのスペシャリストとして活躍し、数々の輝かしい成績を収めてきました。愛称は“Ziki”（ジキ）や“Zimo”（ジモ）など、親しみを込めて呼ばれています。

選手としてのキャリア

ジモニッチは9歳からテニスを始め、1995年にプロ転向。すぐにデビスカップユーゴスラビア代表に選出されます。ユーゴスラビア代表は2003年に解体するまで、デビスカップの2部に相当するヨーロッパ・アフリカ・ゾーンに所属していました。その後、国名がセルビア・モンテネグロ、そしてセルビアへと変わり、チームもレベルアップ。2006年にはワールドグループ・プレーオフに進出、2008年にはワールドグループに初昇格を果たしました。ジモニッチは、ユーゴスラビアからセルビア・モンテネグロ、そしてセルビア代表としてデビスカップに継続して出場し、2010年にはセルビアの初優勝に大きく貢献しました。

ATPツアーでは、1999年2月にマックス・ミルヌイとのペアでダブルス初優勝。以来、男子ツアーのダブルスで毎年タイトルを獲得し続け、その実力を世界に示しました。2001年全豪オープンでは、ウェイン・アーサーズとのペアで初の男子ダブルス準決勝に進出しています。

グランドスラムでの活躍

ジモニッチはグランドスラムで、男子ダブルスと混合ダブルスで素晴らしい成績を残しています。

2004年全豪オープン混合ダブルス：エレーナ・ボビナとペアを組み優勝。セルビア人男子選手として初のグランドスラム優勝者となりました。
2004年ウィンブルドン選手権男子ダブルス：ユリアン・ノールとペアを組み準優勝。
2006年全仏オープン混合ダブルス：カタリナ・スレボトニクとペアを組み優勝。その後も2007年、2008年と3年連続で決勝に進出。
2006年ウィンブルドン選手権男子ダブルス：ファブリス・サントロとペアを組み準優勝。
2008年全豪オープン混合ダブルス：孫甜甜とペアを組み優勝。
2008年ウィンブルドン選手権男子ダブルス：ダニエル・ネスターとペアを組み優勝。自身初のウィンブルドン制覇。
2009年ウィンブルドン選手権男子ダブルス：ダニエル・ネスターとペアを組み、2連覇を達成。
2010年全仏オープン男子ダブルス：ダニエル・ネスターとペアを組み優勝
* 2014年ウィンブルドン選手権混合ダブルス：サマンサ・ストーサーとペアを組み優勝

2007年ウィンブルドン選手権までファブリス・サントロとペアを組んでいましたが、その後ダニエル・ネスターとペアを組み、数々のタイトルを獲得しました。

世界ランキング1位

2008年には、ダニエル・ネスターとのペアで年間5勝を挙げ、ウィンブルドン選手権男子ダブルスで初優勝。同年11月には、自身初の世界ランキング1位に輝きました。

プレースタイル

長身から繰り出されるパワフルなサーブと、ネットプレーの巧みさが持ち味。ダブルスでの豊富な経験と戦術眼を生かし、数々の強豪ペアを打ち破ってきました。

デビスカップでの貢献

ユーゴスラビア、セルビア・モンテネグロ、そしてセルビア代表として長年にわたりデビスカップに出場。2010年にはセルビアの初優勝に大きく貢献し、国民的英雄となりました。

シングルスでの出場は限られていましたが、1999年ウィンブルドン選手権では3回戦に進出。2009年を最後にシングルスへの出場はなく、現在はダブルスに専念しています。

ネナド・ジモニッチは、セルビアテニス界を代表する偉大な選手の一人として、その名を歴史に刻んでいます。

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