ネバタゴガエル

ネバタゴガエル（Rana neba）

ネバタゴガエルは、アカガエル属に分類されるカエルの一種で、学名をRana nebaといいます。この種小名「neba」は、本種が初めて発見された場所である長野県根羽村に由来しています。

分布

ネバタゴガエルは、日本の固有種であり、長野県根羽村周辺地域のみに生息しています。非常に限られた地域にのみ分布していることが、本種の特徴の一つです。

形態

ネバタゴガエルの体長は、オスが37.7mmから48.3mm、メスが43.9mmから45.6mm程度です。タゴガエル（Rana tagoi）と非常に近縁な種ですが、いくつかの点で違いが見られます。

生態

特に重要な違いとして、オスの鳴き声が挙げられます。ネバタゴガエルのオスは、タゴガエルとは異なる独特の鳴き声を上げます。この鳴き声は、犬の鳴き声に似ていると表現されることもあります。声紋分析の結果、この鳴き声の違いは生殖隔離を引き起こすほどの大きな差異であることが確認されています。

Etoら（2012）の研究では、ネバタゴガエルはA-4グループに分類されています。ミトコンドリアDNA（mtDNA）の解析では、他のクレードAとの間に大きな違いは見られませんでしたが、核DNAの解析により、他のグループとの明確な遺伝的な違いが明らかになりました。これにより、ネバタゴガエルは独立した種として認識されるようになりました。

分類

当初、ネバタゴガエルは2n=28の染色体数を持つタゴガエルの一種として認識されていました。しかし、2014年に新種として正式に記載され、独立した種としての地位を確立しました。これは、鳴き声の違いや遺伝的な差異が、単なる個体差ではなく、種としての違いを示すものであると判断されたためです。

ネバタゴガエルは、その分布域の狭さから、絶滅の危険性も指摘されています。今後の保護活動や生息状況の継続的な調査が重要となります。

その他

ネバタゴガエルは、生物多様性の観点からも非常に重要な種であり、その保全は生態系全体のバランスを維持するために必要不可欠です。

参考文献

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