ネバダ (戦艦)

ネバダ (USS Nevada, BB-36)

ネバダ（USS Nevada, BB-36）は、アメリカ海軍の戦艦で、ネバダ級戦艦のネームシップです。この艦名は、アメリカのネバダ州に由来し、日本語では「ネヴァダ」とも表記されます。ネバダはアメリカ海軍艦艇ではこの名前を持つ2隻目であり、姉妹艦にはオクラホマ (USS Oklahoma, BB-37) が存在します。

概要

ネバダ級戦艦は、アメリカ海軍における標準型戦艦の先駆けであり、その設計は当時のイギリス海軍戦艦ドレッドノートと同様に革新的でした。従来の戦艦は部分的に異なる装甲厚を持っていましたが、ネバダ級は重要な部分—弾薬庫や機関室—に最大の装甲を施し、艦の前後にはあまり装甲を設けない「集中防御方式」を採用しました。この方式は「All or Nothing」として知られ、世界中の海軍に影響を与えることになります。また、ネバダの設計者たちは、遠距離での砲弾の着弾が艦首や艦尾よりも甲板部に起こることに注目し、出撃時には甲板部分に強固な装甲を施しました。

武装においては、ネバダ級は14インチの三連装砲塔2基と連装砲塔2基を持ち、合計で10門の砲を搭載しています。また、初期の構造には籠マストが使用されていましたが、その後三脚檣に改造されました。

ネバダは第一次世界大戦と第二次世界大戦の両方に従事し、特に太平洋戦争では真珠湾攻撃を受けました。艦は攻撃の最中に大破し、座礁して着底しました。その後、1942年に引き上げられ、大修理を経て再就役します。

定歴と戦歴

ネバダは、1912年11月にマサチューセッツ州で起工し、1916年3月に就役しました。就役後は大西洋艦隊に合流し、世界大戦中にはイギリス海軍の艦隊に加わりました。戦間期には、南米やオーストラリアへ友好訪問を行い、アメリカ海軍の巡航能力を示しました。さらに、1927年から1930年にかけてノーフォーク海軍造船所で近代化改修が行われ、主砲の仰角引き上げや新しい装備の追加が行われました。

1941年の真珠湾攻撃では、最初の攻撃により重傷を負い、艦上の多くの乗員が犠牲になりました。しかし、艦は決して沈むことはなく、自力で水路を抜けて、動ける状態となりました。この時、アリゾナなど他の艦艇の近くを通過する中で、泳いでいた乗組員を救助するなどの行動を見せ、当時の兵士たちに希望を与えました。

その後、ネバダは大規模な修理を受けて再就役し、アリューシャン方面やノルマンディー上陸作戦、南フランス上陸作戦などに参加しました。1945年には硫黄島の戦いにも従事しましたが、沖縄戦を経て、終戦後は原爆実験の標的艦となりました。1946年に核爆発に耐えた後、1948年に海没処分されましたが、その船体は2020年に発見されました。

文化的影響

ネバダは映画「トラ・トラ・トラ!」にも登場し、真珠湾攻撃時の艦の姿を再現するシーンが描かれています。彼女の歴史は、アメリカ海軍の中でも特に重要なものであり、戦艦の象徴として後世に語り継がれています。

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