ネバダ・スミス

ネバダ・スミス (1966年の映画)

『ネバダ・スミス』は、1966年に公開されたアメリカの西部劇映画。ハロルド・ロビンズの小説『大いなる野望』を原案とし、ヘンリー・ハサウェイが監督、スティーブ・マックイーンが主演を務めました。1966年の日本における洋画配給収入では、トップ10の第6位にランクインするほどの人気を博しました。

あらすじ

1890年代のアメリカ、ネバダ州の片田舎が舞台。鉱山跡で、白人男性とカイオワ族のインディアン女性、そして16歳の少年マックスが、慎ましくも平和な日々を送っていました。しかしある日、3人の悪党が現れ、マックスの両親を惨殺。家を焼き払います。両親の復讐を誓ったマックスは、一挺のライフルを手に、仇を追う旅に出ます。

復讐の道中、マックスは様々な出会いを経験します。最初は人違いで銃や馬を盗まれ、失意に暮れますが、銃商人のジョナス・コードとの出会いが彼を変えます。コードから銃の扱い、酒、ポーカーを教わり、悪党が潜む酒場での立ち回り方を学びます。また、マックスはコードから貰ったお金で本を買い、読み書きを習得。知識を身につけながら、着実に成長していきます。

牛追いの仕事で各地を巡る中、マックスはついに仇の一人、ジェシーを発見します。カイオワ族の女性ニーサの助けもあり、ジェシーを倒すことに成功。しかし、自身も深手を負い、ニーサの故郷で療養生活を送ります。回復後、ジェシーの妻アンジーから、残る一人の悪党ビルがルイジアナの刑務所に服役していることを聞き出します。

ビルに復讐するため、マックスは自ら強盗を企て刑務所へ。ワニや毒蛇がうごめく湿地帯で、ケイジャンの女性ピラーの協力を得て脱獄を計画。ビルを誘い出し、脱獄に成功します。そして、ついにビルの素性を明かし、激しい戦いの末に彼を打ち倒します。しかし、その際にカヌーが転覆し、ピラーは毒蛇に噛まれて命を落としてしまいます。

それから5年後、最後の仇であるトムは、駅馬車強盗の首領として悪名を轟かせていました。マックスは「ネバダ・スミス」と名乗り（かつて銃の指南をしてくれたガンスミスの名前から）、トムの仲間へと潜り込みます。駅馬車襲撃の機会を捉え、トムを追い詰めますが、ザッカルディ神父の言葉が彼の心をよぎります。復讐を果たす寸前で、マックスはトムを殺すことを止め、静かに立ち去るのでした。そこには、かつて両親を殺された16歳の少年の姿は、もうありませんでした。

キャスト

マックス・サンド／ネバダ・スミス：スティーブ・マックイーン
ジョナス・コード：カール・マルデン
ピラー：スザンヌ・プレシェット
トム・フィッチ：アーサー・ケネディ
ニーサ：ジャネット・マーゴリン
ジェシー・コー：ラフ・ヴァローネ
* ビル・ボーラー：ヘンリー・シルヴァ

2025年6月4日には、ニューラインから「吹替シネマCLASSICS」シリーズとして、『ネバダ・スミス -TV吹替音声追加収録版-』が発売予定。ソフト版に加え、放送時にカットされた部分を追加収録したフジテレビ版の日本語吹替が収録されます。

『ネバダ・スミス』は、単なる復讐劇ではなく、一人の少年が成長していく過程を描いた感動的な物語です。スティーブ・マックイーンの熱演、ヘンリー・ハサウェイの卓越した演出、そして、心に響くストーリーが、観る者を魅了します。

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