ネプチューン (巡航ミサイル)

R-360 ネプトゥーン

R-360ネプトゥーン（ウクライナ語: Р-360 «Нептун»）は、ウクライナのキーウ設計局ルーチによって開発された対艦巡航ミサイルです。このミサイルには伝説的な神話の海の神であるネプトゥーンの名前が付けられており、英語名でも「Neptune」として知られています。ネプトゥーンは、ソビエト連邦製のKh-35対艦ミサイルを基にしており、国内技術を活用してその射程と電子機器の性能を向上させています。これにより、排水量5,000トンまでの水上艦艇や輸送艦を攻撃する能力を持つように設計されています。

開発経緯

ネプトゥーンの開発は、2015年にキーウで開催された「Weapons and Security」展での初披露から始まりました。2016年春には飛行可能な試作機が製造され、その後、ウクライナ国内の数多くの企業との協力によりミサイルシステムの開発が行われました。具体的には、Artem Luch GAhKやモトール・シーチ、Kharkiv State Aviation Plantなどが関与し、重要な部品の製造を手掛けました。

ミサイルシステムの最初のテストは2016年3月に実施され、その結果は順調であることが報告されました。続いて、2018年にも実施された実験で、対象距離100キロメートルの目標に命中することに成功しました。その後、ウクライナの国防プランとして2019年に引き渡されることが発表されました。さらに、2020年には中距離巡航ミサイルの開発が始まり、ウクライナはインドネシアとの間でRK-360MCの供給に関する覚書を締結しました。

運用と戦果

2022年、ウクライナのロシア侵攻において、ネプトゥーンミサイルはロシアのスラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」に対して2発発射され、弾薬の誘爆を引き起こしたと報じられています。この攻撃により、モスクワは沈没しました。この出来事は、ウクライナの軍事能力を示す重要な事件となり、アメリカの防衛当局もこの攻撃を確認しました。

設計と性能

ネプトゥーンは、RK-360MC沿岸防衛システムとして設計されています。システムは、発射機、ミサイル、指揮統制車両などから構成されており、海岸線からインランドへ最大25キロメートルの範囲で運用できます。ミサイル自体の長さは5.05メートルとされ、最大射程は約300キロメートルです。

派生型

2025年にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、新型長射程ミサイル「ロング・ネプチューン」の実験成功を発表しました。このミサイルは、既存のネプトゥーンを基にしつつ、地上用に改良が施され、射程が約720キロメートルに向上したとされています。新型システムでは、衛星情報を活用した精密攻撃が可能になるとされています。

結論

R-360ネプトゥーンはウクライナの防衛力向上に寄与する重要なミサイルシステムであり、国内外でその利用が拡大しています。今後の発展にも注目が集まります。

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