ネモ (小惑星)

小惑星ネモ（1640 Nemo）は、火星の軌道と交差する火星横断小惑星に分類されます。その軌道は、太陽に最も近づく近日点が火星の軌道に位置しているという特徴を持っています。

ネモは、1953年8月9日にベルギーの天文学者シルヴァン・アランによって発見されました。発見場所は、ベルギーの首都ブリュッセル郊外にあるウックルのベルギー王立天文台です。この発見により、ネモは小惑星カタログに登録され、その後の観測によって軌道が精密に決定されました。

ネモという名前は、ジュール・ベルヌのSF小説『海底二万里』（1870年）に登場する主人公、ネモ船長にちなんで命名されました。ネモ船長は、潜水艦ノーチラス号を操り、海底を冒険する神秘的な人物として描かれています。小惑星ネモの命名は、この文学作品への敬意と、宇宙への冒険心を表していると言えるでしょう。

小惑星ネモは、その軌道から、火星探査計画などにおいて、今後の観測対象としても注目される可能性があります。また、小惑星の軌道や性質を研究することで、太陽系の形成過程や小惑星の起源に関する知見を深めることができます。

関連項目

小惑星の一覧 (1001-2000)
ノーチラス (小惑星)

外部リンク

* ネモの軌道要素（JPL、英語）

小惑星ネモは、SF文学と宇宙科学を結びつける興味深い存在であり、今後もその観測や研究が続けられることでしょう。その軌道や性質の解明は、私たちに太陽系の理解を深める新たな視点を与えてくれるに違いありません。

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