ネリュングリ

ネリュングリ：サハ共和国の主要炭鉱都市

ネリュングリ（Neryungri、ロシア語: Нерюнгри、サハ語: Нүөрүҥгүрү）は、ロシア連邦サハ共和国南部に位置する鉱山都市です。北緯56度40分00秒、東経124度42分00秒に位置し、人口は約6万人（2002年時点では約7万人）で、減少傾向にあります。しかし、サハ共和国の首都ヤクーツクに次ぐ、主要な都市の一つです。

ネリュングリは、中国東北部の国境から北に約600km、スタノヴォイ山脈の北麓西部に位置しています。レナ川水系のチュリマン川のほとりにあり、ヤクーツクからは南西へ約740km離れています。この地域は南ヤクート炭田の中心地であり、良質な瀝青炭などの高品位炭が豊富に産出されます。

交通とインフラ

ネリュングリにはネリュングリ空港があり、空路でのアクセスが可能です。また、シベリア鉄道・バム鉄道から北へ延びるアムール・ヤクーツク鉄道の駅も存在し、鉄道輸送の拠点となっています。特に、日本や韓国などの国外への石炭輸出のためのインフラが整備されており、重要な輸送拠点となっています。

ネリュングリから北に約30kmの距離には、同じく炭鉱都市であるチュリマンがあります。これらの都市は、炭鉱開発によって相互に密接な関係を築いています。

歴史と開発

ネリュングリは1975年、付近の炭鉱発見と操業開始に伴い市制が施行されました。都市の名前は、近くを流れるネリュングリ川にちなんで命名されました。この地域はエヴェンキ語で「カワヒメマス（Grayling）」を意味する言葉が由来です。ロシアの都市としては比較的新しい部類に属します。

都市の構造は、炭鉱や工場を中心とした「旧市街」と、住宅を中心とした「新市街」の二つに分かれています。これにより、都市機能と居住空間が分離され、効率的な都市運営が図られています。

日本との関係

1980年代、日本はソ連と補償貿易協定を結び、ヤクート炭田の設備を支援する代わりに、この地域で産出される高品位炭を大量に輸入していました。しかし、1990年代以降、輸入量は減少傾向にあります。

まとめ

ネリュングリは、サハ共和国南部における重要な炭鉱都市であり、その発展は炭鉱開発と密接に結びついています。地理的な位置から、炭鉱資源の輸送拠点としての役割も果たしており、国内外への石炭輸出を支えています。都市の歴史は比較的新しいものの、その存在は地域経済において非常に重要な役割を担っています。

外部リンク

アジア太平洋石炭開発高度化調査（ロシア） ：独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
日本の対ロシア極東地域投資
* The Coal Mining World of Neryungri

もう一度検索