アムール・ヤクーツク鉄道

アムール・ヤクーツク鉄道（通称アヤム鉄道）は、ロシア連邦東部のシベリア地方に位置する鉄道路線です。この路線は、アムール州のスコボロディノを起点とし、サハ共和国のヤクーツクを目指します。1917年にその構想が浮上し、2013年現在ではレナ川の対岸までが開通しています。

沿線概況

シベリア鉄道のスコボロディノ駅から分岐したアムール・ヤクーツク鉄道は、バモフスカヤ駅の手前でシベリア鉄道と分かれ、ティンダ駅でバイカル・アムール鉄道と合流します。その後、ベストゥジェヴォ駅で再び分かれ、北へ進路を取り、サハ共和国へと入ります。サハ共和国に入ると、1kmのトンネルを抜け、石炭の産出地帯を経てネリュングリに到達します。さらにアルダン高原を横断し、アルダンに到着します。この路線で最長の橋であるアルダン川を渡り、トンモトの旅客駅と貨物ヤードを経てレナ川に到達します。

ブラバヤ・レナ駅で路線は二手に分かれ、一つはレナ川を越えてヤクーツクへと至るルート、もう一つはヤクーツクの対岸にあるニジュニ・ビシチャを経由し、オホーツク海沿岸のマガダンを目指すルートです。しかし、2014年現在では、レナ川を渡るルートの橋梁は未完成であり、マガダン方面のルートもニジュニ・ビシチャ駅から先が建設中です。

バモフスカヤ駅からティンダ駅の間は比較的早期に建設が進み、1979年に営業を開始しました。1984年にはネリュングリまで旅客営業が開始され、この区間は非公式に「リトル・バム」と呼ばれていました。2004年8月にはトンモトまで、2009年4月にはアムガ川、2011年11月にはニジュニ・ビシチャへと到達しました。レナ川では春から夏にかけて雪解け水による洪水が発生し、さらに橋の長さが3kmを超えるため、建設は非常に難航しています。そのため、橋の代わりにトンネルを掘るという案も検討されています。

この鉄道は、バイカル・アムール鉄道のティンダ駅からベストゥジェヴォ駅の間を除き、非電化の単線区間です。永久凍土地帯を通るため、線路の建設と維持には特別な技術が必要となります。

運営体制

アルダンから先の区間は、ロシア鉄道の直営ではなく、サハ共和国当局が設立した「ヤクート鉄道」によって運営されています。2012年初めの時点では、ヤクート鉄道の資本の50%はロシア鉄道が保有していました。

物流の要

より広い意味では、この鉄道はジャリンダ村のレイノヴォ駅からヤクーツクまでの全区間を指すことがあります。これは、単にヤクーツクへ向かうだけでなく、将来的に中国から黒竜江を渡り、レイノヴォ駅からレナ川を経て、そこから船で北極海を通りヨーロッパへ向かうという壮大な水陸混合物流ルートの一部として機能することが期待されているためです。

技術的課題と未来

アムール・ヤクーツク鉄道は、その建設と運営において数々の課題に直面しています。特に永久凍土上での線路建設や、レナ川のような大規模な河川を渡る橋梁の建設は、高い技術力と膨大な費用を必要とします。しかし、この鉄道が完成すれば、シベリア地域の経済発展に大きく貢献するとともに、ユーラシア大陸を横断する新たな物流ルートを確立することができます。今後の建設進捗と、この鉄道が果たす役割に注目が集まります。

関連項目

• - レナ・カムチャツカ鉄道

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