ノエル・ポール・ストゥーキー

ノエル・ポール・ストゥーキー：音楽と信仰、社会への貢献

ノエル・ポール・ストゥーキー（Noel "Paul" Stookey, 1937年12月30日 - ）は、アメリカを代表するシンガーソングライターであり、伝説的なフォークグループ、ピーター・ポール&マリー（PP&M）のメンバーとして、世界中の音楽ファンに愛されています。PP&Mでは「ポール」として親しまれ、その名でも広く知られています。

ミュージシャンとしての歩み

ミシガン州立大学卒業後、ストゥーキーは当初ミュージカル俳優を目指していましたが、やがてフォークシンガーとしての道を歩み始めました。PP&M時代には、卓越したギターテクニック、特にスリーフィンガー奏法で名を馳せ、彼のトレードマークとなりました。

PP&M解散後、1971年には、元メンバーのピーター・ヤローに贈った祝婚歌「Wedding Song (There Is Love)」を発表し、大ヒットを記録しました。この曲は、現在でもアメリカの結婚式で頻繁に演奏される定番ソングとなっています。特筆すべきは、ストゥーキーがこの曲の著作権をパブリック・ドメイン基金に譲渡したことです。

PP&Mとしての活動と並行して、ストゥーキーはソロアーティストとしても数々のレコードを発表し、ボディワークスというアンサンブルとの共演アルバムもリリースしています。PP&M時代の楽曲は、社会風刺やプロテストソングが中心でしたが、解散後のソロ作品では、社会問題や家庭生活に加え、キリスト教信仰を強く打ち出すようになっています。もっとも、PP&M時代にも、「私の試練」などのゴスペルや黒人霊歌を得意としていたのはストゥーキーでした。

ジーザス・ミュージックへの貢献とリベラルな立場

ストゥーキーは、ジーザス・ミュージック運動がクリスチャン・ポップスとして発展する上で重要な役割を果たしたアーティストの一人です。しかし、多くのクリスチャン・ポップス系のアーティストとは異なり、彼は政治的にリベラルな立場を貫いています。また、デイヴ・マレットやゴードン・ボックといった比較的無名のシンガーソングライターのアルバム制作にも携わり、ニューワールド・マルチメディアというレコードレーベルを設立するなど、後進の育成にも力を注いでいます。

現在の活動と日本との繋がり

現在もストゥーキーは現役の音楽家として活動を続けており、ソロ活動に加え、再結成されたPP&Mの一員としても、国内外で精力的にコンサートを行っています。

彼の妻、ベティ夫人は教育関係者・聖職者としてマサチューセッツ州で活動していた時期があり、ストゥーキーも同州に数年間居住していました。2005年以降はメイン州に在住し、鶏舎を改造したスタジオでレコーディングを行っています。

2007年2月には、新曲「Song for Megumi」のプロモーションのために来日。5月には再来日し、山本潤子、鈴木康博、南こうせつ、C・W・ニコル、角野卓造といった日本の著名なアーティストたちと共演し、チャリティコンサートを開催しました。このコンサートの収益は、北朝鮮による拉致被害者家族の支援のために寄付されました。この楽曲を通して、日本の拉致被害者問題に対する彼の強い関心と支援の姿勢が示されました。

ストゥーキーの音楽は、時代を超えて人々の心に響き、社会に貢献する彼の姿勢は、多くの人々に感銘を与え続けています。

外部リンク

ノエル・ポール・ストゥーキー公式サイト（英語）
ニューワールド・マルチメディア・レーベル公式サイト（英語）
「拉致解決の力になれば」ＰＰ＆Ｍのポール来日
SONG FOR MEGUMI - Noel Paul Stookey-（2007年2月27日配信・全4分10秒） - 政府インターネットテレビ

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