ノタヌキモ

ノタヌキモ（Utricularia aurea）

ノタヌキモは、タヌキモ科タヌキモ属に分類される水草です。水面に葉を浮かべる浮葉性植物で、湖沼やため池といった比較的穏やかな淡水域に生育しています。東アジア、インド、オーストラリアといった広い地域に分布していますが、日本ではその数が減少しており、環境省によって絶滅危惧種に指定されています。

形態と生態

ノタヌキモは一年生または多年生の水草で、茎は水中で盛んに分枝し、全長は1.5メートルにも達することがあります。茎からは3本の枝が伸びて葉をつけ、立体的に枝分かれしていくのが特徴です。この茎には、多数の捕虫嚢がついており、水中に生息するミジンコなどの微小な生物を捕獲して栄養源としています。食虫植物の一種として知られています。

花期は7月から10月にかけてで、水面から花茎を伸ばし、その先に淡黄色の小さな花を3個から11個ほど咲かせます。果実は4〜5mm程度の大きさで、自家受粉によって種子を形成します。一般的に越冬芽は形成しませんが、亜熱帯地域など温暖な環境では、そのまま越冬して多年草として生育することもあります。

利用

ノタヌキモは、その独特な形状と生態から、アクアリウムで観賞用として利用されることがあります。水槽内で水草として育成し、その捕虫の様子などを観察することが可能です。ただし、希少種であるため、採取には注意が必要です。

その他

関連項目

タヌキモ属
食虫植物

ノタヌキモは、水環境の保全を考える上で重要な植物の一つです。その生態を理解し、保護していくことが大切です。

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