ノバスコシア・ポンド

ノバスコシア・ポンド：植民地時代の通貨

ノバスコシア・ポンドは、現在のカナダ・ノバスコシア州にあたるノバスコシア植民地で、1860年まで使用されていた通貨です。この通貨は、当時のイギリスの基軸通貨であったスターリング・ポンドと等価であり、植民地経済における重要な役割を担っていました。

通貨の体系

ノバスコシア・ポンドは、スターリング・ポンドと同様の体系を採用していました。具体的には、以下の通りです。

1ポンド = 20シリング
1シリング = 12ペンス

この体系は、当時のイギリスの通貨制度を反映しており、植民地と本国の経済的なつながりを象徴していました。

通貨の変遷と終焉

1860年、ノバスコシア・ポンドは、ノバスコシア・ドルに置き換えられました。この移行は、より近代的な通貨システムへの転換を意味しました。交換レートは、5ドル = 1ポンド (1ドル = 4シリング)と定められました。

発行された硬貨

ノバスコシア植民地では、スターリング・ポンドの硬貨に加えて、独自の硬貨も発行されていました。以下は、その主な例です。

1823年と1856年に、½ペニー銅貨が発行されました。
1823年と1856年に、1ペニー銅貨が発行されました。

これらの硬貨は、植民地内の経済活動を支える上で重要な役割を果たしました。

発行された紙幣

ノバスコシア植民地では、硬貨だけでなく紙幣も発行されていました。これらは、地元政府や銀行によって発行され、さまざまな額面がありました。

地元政府発行の紙幣

1812年から、地元政府は以下の額面の紙幣を発行しました。

1ポンド
2½ポンド
5ポンド
50ポンド

また、1813年から1830年の間には、以下の額面の紙幣が発行されました。

1ポンド
2ポンド
5ポンド

さらに、1830年には、以下の額面の紙幣が発行されました。

5シリング
10シリング

これらの政府発行の紙幣は、公的な取引や支払いに広く使用されました。

銀行発行の紙幣

法定紙幣に加えて、以下の2つの銀行も紙幣を発行していました。

ハリファックス銀行（Halifax Banking Company）：1825年から、以下の額面の紙幣を発行しました。
1½ポンド
5ポンド
6ポンド
6½ポンド
7ポンド
ノバスコシア銀行（Bank of Nova Scotia）：1834年から、以下の額面の紙幣を発行しました。
1½ポンド
2ポンド
2½ポンド
5ポンド
¼ポンド
6ポンド
7ポンド
7½ポンド
* 10ポンド

これらの銀行発行の紙幣は、商業活動や個人間の取引を円滑にするために重要な役割を果たしました。特に、高額紙幣は、大規模な取引や貯蓄に利用されることが多かったと考えられます。

まとめ

ノバスコシア・ポンドは、ノバスコシア植民地における経済活動を支えた重要な通貨でした。スターリング・ポンドと等価であり、硬貨や紙幣の発行を通じて、植民地の経済発展に貢献しました。1860年にノバスコシア・ドルに置き換えられましたが、その歴史は、当時の通貨制度や経済状況を理解する上で重要な要素となっています。

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