ノヴァーラの戦い (1513年)

ノヴァーラの戦い

1513年6月6日、イタリア北部のノヴァーラで起こった戦いは、カンブレー同盟戦争の一環としてフランス軍とスイス軍との間で行われました。この戦闘は、フランスがイタリアから完全に撤退する原因となった重要な出来事です。

前兆

フランス王ルイ12世の治世下、フランスは1512年にラヴェンナの戦いで勝利を収めましたが、その後神聖同盟によってミラノから追い出されました。この結果、1512年12月29日にはスイス傭兵がマッシミリアーノ・スフォルツァをミラノ公として擁立し、フランス軍はミラノからの撤退を余儀なくされます。1513年の春、フランス軍はルイ2世・ド・ラ・トレモイユが指揮する2万人以上の兵力をもって、スイス傭兵が占領していたノヴァーラを包囲します。

戦闘の経過

1513年の6月になる頃には、ミラノ公国の西部はほぼフランスの支配下に置かれていました。しかし、ノヴァーラに進軍したフランス軍は、翌朝早くに約12,000人のスイスの増援部隊に遭遇しました。スイス軍は、ドイツの傭兵ランツクネヒトがしっかりとした陣形を作り、彼らの攻撃に対して強硬に抵抗しました。一方、フランス軍は砲兵を展開したものの、スイス軍の猛攻に圧倒されてしまいます。

フランス軍は強行軍の結果、スイスの各方面からの攻撃を受け、展開した砲兵の多くが捕らえられてしまいました。また、ランツクネヒト歩兵連隊も後退を余儀なくされ、陣形が崩れたため、フランスの重騎兵は十分に戦闘態勢に入ることができず、そのまま戦場から撤退してしまいました。

戦闘の結果

この戦闘は非常に血生臭いものであり、フランス側は少なくとも5,000人が死傷し、スイス軍も1,500人の死者を出しました。スイス側の死者の多くは、攻撃の際にフランスの砲撃によって被害を受けた者たちです。また、戦闘後にはフランス側で捕虜となったドイツのランツクネヒトの数百人が処刑されました。

フランス軍が敗退した後、スイス軍は騎兵が不足していたため追撃は行われませんでしたが、一部の部隊はフランス軍をフランスのディジョンまで追撃しました。最終的に、スイス軍はフランスから22門の大砲を鹵獲しました。この敗北により、ルイ12世はミラノとイタリアからの撤退を余儀なくされました。

この戦闘は、当時のイタリア戦争における軍事的な動向を大きく変える契機となったのです。フランスの敗北は、彼らのイタリアでの支配力を劇的に低下させ、スイスが以降の戦争において重要な役割を果たすことを示唆しています。

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