ミラノ公国

ミラノ公国の歴史

ミラノ公国（イタリア語: Ducato di Milano）は、北イタリアの都市ミラノを中心に、1395年から1797年の間に存在した公国です。公国の歴史は、ヴィスコンティ家による支配から始まります。彼らは1311年には既にミラノの権力を握り、都市を商業、手工業、農業の中心地として成長させました。

ヴィスコンティ家と公国の成立

ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティは1378年から1402年の間に家族の領地を統合し、1395年にはローマ王からミラノ公の称号を授かります。この時期、彼はロンバルディアやピエモンテ、そしてイタリア中部地域を含む広大な領土を支配していました。しかし、彼の死後、息子のジョヴァンニ・マリーアはその領地を維持できず、公国は一時的に崩壊します。

1412年、ジョヴァンニ・マリーアの暗殺後、弟のフィリッポ・マリーアが公国を再建します。彼はヴェネツィア共和国との対立をはじめ、長い戦争を経て1433年に和解しますが、その過程で領土を失うことになります。1447年、フィリッポが亡くなるとミラノは共和国を宣言し、フランチェスコ・スフォルツァに防衛を依頼します。彼は1450年に自らをミラノ公とし、新たな支配を開始します。

外国勢力との抗争

その後、ミラノはフランスとスペインの争奪戦に巻き込まれ、イタリア戦争が勃発。スフォルツァ家は難しい立場に立たされ、1480年代にはその政権基盤が揺らぎます。1494年以降、フランス王シャルル8世が侵入し、ミラノ公国は多くの戦争に翻弄され続けました。公開されたフランスの支配が強まる中、1535年にはスペインがミラノを征服し、以後約200年にわたりスペインの統治下に置かれることになります。

スペインからオーストリアへ

1700年、スペインのカルロス2世の死後、ハプスブルク家とブルボン家の間で王位継承戦争が繰り広げられ、イタリアの支配権を巡る争いに発展しました。オーストリア勢力がロンバルディアに進出し、ミラノ公国は1714年にオーストリアの領土となることが決まりました。オーストリア支配の時代には文化と経済が進展しますが、それでも地元の反発は続きます。

ナポレオンによる改革

1796年、軍事指導者ナポレオン・ボナパルトの侵攻によりミラノ公国は再び変革を迎えます。彼がミラノに入城すると、ロンバルディア行政府が設立され、政治的な活動が活発化します。1797年にはチザルピーナ共和国が樹立され、ミラノ地域は新たな時代を迎えることとなりました。公国としての歴史はこの時点で終焉を迎え、以降はナポレオンによる統治が続きます。

結論

ミラノ公国は、数世代にわたる支配者の戦略と、外部勢力との複雑な相互作用によって、その形を変えていきました。独立性を失った後も、地域の文化と経済には大きな影響を及ぼし、イタリア半島の歴史において重要な役割を果たしました。

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