ノーザンファーム天栄

ノーザンファーム天栄：国内屈指のトレーニングセンター

福島県岩瀬郡天栄村に広がるノーザンファーム天栄は、ノーザンファームが運営するトレーニングセンターです。滋賀県のノーザンファームしがらきと並ぶ、本州における同ファームの主要拠点として知られています。その充実した設備と高度なトレーニング技術から「第二のトレセン」「最強の外厩」と称賛されており、数々の名馬を輩出しています。

圧倒的な設備と高度な調整技術

ノーザンファーム天栄は、美浦・栗東トレーニングセンターにも引けを取らない、質の高い設備を備えています。広大な敷地内には、馬の体調管理に最適な環境が整えられています。900mの坂路コース、1200mの周回コースに加え、角馬場2面、屋根付きウォーキングマシーン、トレッドミルなど、馬の能力を最大限に引き出すための設備が完備されています。

特に注目すべきは、レース直前まで外厩で調整を行い、レース1週間前にJRAトレーニングセンターに入厩するという「10日競馬」と呼ばれる調整法です。この方法は、馬への負担を最小限に抑え、最高の状態をレース本番に持っていくための、ノーザンファーム天栄独自の高度な技術の結晶と言えるでしょう。美浦トレセンからは車で約2時間半、馬運車でも約3時間半から4時間と、アクセスも良好です。また、北海道からの輸送においても、馬に負担の少ない時間帯に到着できるという利便性の高さも魅力の一つです。

さらに、厩舎は馬が寂しくないように、通路を挟んで馬房が並び、互いに顔が見える構造になっています。盆地のような地形である敷地からは、坂路コースの向こうに那須連峰を望むこともでき、雄大な自然に囲まれた環境も魅力です。管理棟からは敷地全体を見渡せる設計となっており、細やかな管理体制が伺えます。

美浦・栗東所属馬の調整拠点として

主に美浦トレーニングセンター所属のノーザンファーム関係馬が利用していますが、栗東所属の馬も例外ではなく、友道康夫厩舎などからも利用されています。これは、ノーザンファーム天栄の技術力と設備に対する高い信頼の証でしょう。

人材育成への取り組み

ノーザンファーム天栄では、人材育成にも力を入れています。2017年時点では、総勢100名以上のスタッフが所属し、質の高い育成・管理体制を支えています。

歴史と進化

ノーザンファーム天栄の前身は、早田牧場を母体としたシルクホースクラブの育成牧場「天栄ホースパーク」でした。早田牧場の経営破綻後、ノーザンファームとの関係が深まり、2011年に完全提携、同時に「天栄ホースパーク」は「ノーザンファーム天栄」へと名称変更されました。

2017年には坂路コースがリニューアルされ、高低差が約28mから約36mに増加。更なるトレーニング環境の向上を目指し、設備投資も積極的に行われています。2018年には、ノーザンファーム天栄を利用した馬が数々のGIレースを制覇し、その高度な調整能力を改めて証明しました。特にアーモンドアイやフィエールマンなど、異例のローテーションで活躍した馬の存在は、従来の常識を覆すほどのインパクトを与えました。

施設概要

場長: 木實谷雄太氏 (2015年～)
厩舎: 15棟 (286馬房)
坂路コース: 900m
周回コース: 1200m
角馬場: 2面
その他: 屋根付きウォーキングマシーン、トレッドミル

ノーザンファーム天栄は、今後も日本の競馬界をリードするトレーニングセンターとして、その存在感を増していくことでしょう。

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