岩瀬郡

岩瀬郡（いわせぐん）

岩瀬郡は、福島県の中部に位置する郡で、鏡石町と天栄村の1町1村から構成されています。2024年11月1日現在の推計人口は16,861人、面積は256.82平方キロメートル、人口密度は65.7人/平方キロメートルとなっています。

郡域

明治12年（1879年）に行政区画として発足した当初の郡域は、現在の鏡石町と天栄村のほか、以下の地域を含んでいました。

白河市の一部（大信下小屋・大信隈戸）
須賀川市の一部（おおむね阿武隈川以西）
西白河[[郡]]矢吹町の一部（境町・田内・馬場・本郷町・南町および子ハ清水・東の内の各一部）

歴史

古くは「石背郡」とも書かれていました。中世には二階堂氏によって支配されていました。

近代以降の沿革

幕末時点では陸奥国に所属していました。「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点での支配は以下の通り、86の村が存在していました。

慶応2年（1866年）：白河[[藩]]主の阿部正静が棚倉[[藩]]に転封となり、白河[[藩]]領は二本松藩の預かり地となりました。
慶応4年（1868年）：阿部正静の白河[[藩]]復帰が決定。
慶応4年（1868年）：郡内の幕府領、旗本領、旧白河[[藩]]領が白河民政局の管轄となりました。
明治元年（1869年）：陸奥国が分割され、岩瀬郡は岩代国の所属となりました。同時に、白河[[藩]]領は磐城守山[[藩]]の取締地となりました。
明治元年（1869年）：阿部氏の白河[[藩]]復帰が取り止めとなり、棚倉[[藩]]に戻されました。
明治2年（1869年）：白河民政局が廃止され、白河県が設置されました。守山[[藩]]の管轄が終了。
明治初年：土浦[[藩]]領が白河県の管轄となりました。
明治4年（1871年）：廃[[藩置県]]により、藩領が高田県となりました。
明治4年（1871年）：第1次府県統合により、二本松県の管轄となりました。
明治4年（1871年）：二本松県が福島県に改称されました。
明治8年（1875年）：阿武隈川以東の14村が石川[[郡]]へ、石川[[郡]]のうち阿武隈川以西の2村が岩瀬郡へ編入。後藤新田村が牧之内村に合併。
明治9年（1876年）：複数の村が統合され、55村となりました。

柱田村 ← 下柱田村、上柱田村
守屋村 ← 里守屋村、町守屋村
大久保村 ← 上大久保村、下大久保村
江花村 ← 上江花村、下江花村
西川村 ← 牛袋村、山寺村
森宿村 ← 中宿村、下宿村
鏡田村 ← 高久田村、鏡沼村、仁井田村
大里村 ← 上大里村、下大里村、安養寺新田村
小中村 ← 上小中村、下小中村
隈戸村 ← 上小屋村、滑里川村
今泉新田村が今泉村に、上木野崎村・下木野崎村が木野崎村に、吉兵衛新田村が北横田村に、小岩淵村が岩淵村に、分家浜尾村が浜尾村にそれぞれ合併。
明治10年（1877年）：成田村（現・須賀川市）が梅田村に改称。
明治12年（1879年）：郡区町村編制法の福島県での施行により行政区画としての岩瀬郡が発足。郡役所は須賀川村に設置。

町村制以降の沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、以下の1町13村が発足しました。

須賀川町 ← 須賀川村、森宿村［中宿］
長沼村 ← 長沼村、江花村、勢至堂村、志茂村、小中村
鏡石村 ← 鏡田村、笠石村、久来石村、成田村（現・鏡石町）
浜田村 ← 前田川村、浜尾村、和田村
西袋村 ← 西川村、大桑原村、袋田村、越久村、森宿村［下宿］
仁井田村 ← 仁井田村、滑川村、館ヶ岡村
白方村 ← 柱田村、今泉村、守屋村、梅田村、滝村
白江村 ← 矢沢村、畑田村、深渡戸村、北横田村、大久保村
稲田村 ← 稲村、松塚村、岩淵村、保土原村、泉田村
桙衝村 ← 横田村、堀込村、木野崎村、桙衝村、矢田野村
広戸村 ← 柿ノ内村、高林村（現・天栄村、西白河[[郡]]矢吹町）、飯豊村、白子村、小川村（現・天栄村）
大屋村 ← 大里村（現・天栄村）、下小屋村、隈戸村（現・白河市）
牧本村 ← 牧之内村、上松本村、下松本村（現・天栄村）
湯本村 ← 羽鳥村、田良尾村、湯本村（現・天栄村）
明治30年（1897年）：郡制を施行。
明治34年（1901年）：長沼村が町制施行して長沼町となりました。
大正12年（1923年）：郡会が廃止。
大正15年（1926年）：郡役所が廃止。以降は地域区分名称となりました。
昭和24年（1949年）：大屋村の一部（大里）が分立して大里村が発足。
昭和26年（1951年）：大屋村の所属郡が西白河[[郡]]に変更。
昭和29年（1954年）：須賀川町、浜田村、西袋村、稲田村が石川[[郡]]小塩江村と合併し、須賀川市が発足し、郡から離脱。
昭和30年（1955年）：
仁井田村が須賀川市に編入。
白方村と白江村が合併し岩瀬村が発足。
長沼町と桙衝村が合併し、改めて長沼町が発足。
牧本村、湯本村、大里村、広戸村の一部が合併し天栄村が発足。
広戸村の残部が西白河[[郡]]矢吹町、中畑村、三神村と合併し、改めて西白河[[郡]]矢吹町が発足。
昭和37年（1962年）：鏡石村が町制施行して鏡石町となりました。
平成17年（2005年）：長沼町、岩瀬村が須賀川市に編入。

現在の岩瀬郡は、鏡石町と天栄村の2つで構成されています。

脚注

[脚注の内容は原文を参照]

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 7 福島県』角川書店、1981年3月1日。ISBN 4040010701。

外部リンク

旧高旧領取調帳データベース

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