ノース・リンカンシャー

ノース・リンカンシャーについて

ノース・リンカンシャー（英語名：North Lincolnshire）は、イギリス、イングランドの東部に位置するリンカンシャー州に属する単一自治体（ユニタリー・オーソリティ）です。2011年の国勢調査時点では、約16万7千人を超える人口を擁しています。この行政区画の主要なタウンとしては、スカンソープ、ブリッグ、そしてハンバー川沿いのバートン・アポン・ハンバーが挙げられます。

地理

ノース・リンカンシャーは、広大なハンバー川の南岸地域に広がっており、その総面積はおよそ846平方キロメートルに及びます。土地の多くは肥沃であり、農業活動に非常に適しています。地域内にはトレント川も流れ、その景観の一部を形成しています。この自治体は、ノース・イースト・リンカンシャー、本流のリンカンシャー、サウス・ヨークシャー、ノッティンガムシャー、そしてハンバー川を挟んでイースト・ライディング・オブ・ヨークシャーといった、複数の隣接する行政区画と境界を接しています。ノース・リンカンシャーの行政機能は、最大のタウンであるスカンソープに集中しています。

歴史

現在のノース・リンカンシャーを形成する地域は、1974年にハンバーサイド・カウンティ・カウンシルが設置される以前は、リンカンシャーの一部として位置づけられていました。その後、1974年から1996年までの期間はハンバーサイド州の一部となっていましたが、1996年に同カウンシルが再編成され、四つの独立した単一自治体に分割されることになりました。この解体によって誕生したのがノース・リンカンシャーであり、同時にノース・イースト・リンカンシャー、イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー、そしてキングストン・アポン・ハルといった他の自治体も生まれました。ノース・リンカンシャー自体は、それ以前に存在した三つのバラ（boroughs）、すなわちグランフォード、スカンソープ、そしてサザン・ブースフェリーが合併することによって成立しています。

政治

ノース・リンカンシャーの地方議会であるノース・リンカンシャー・カウンシルの政治勢力は、選挙によって変動しています。例えば、2007年のカウンシル選挙では、労働党が22議席を獲得して第一党となり、保守党が18議席、自由民主党が1議席、そして無所属の議員が2議席を得る結果となりました。しかし、その後の2011年の選挙では情勢が変化し、保守党が23議席、労働党が20議席を獲得し、議会の多数派が入れ替わっています。

国政においては、ノース・リンカンシャー地域は三つの国会選挙区に区分されています。2010年の総選挙では、スカンソープ選挙区からは労働党の候補が当選しましたが、ブリッグ・アンド・グール選挙区とクリーソープ選挙区からは保守党の候補者が議席を獲得しています。

権限移譲に向けた協議

近年、ノース・リンcolnshireでは、地域における権限移譲（デヴォリューション）の推進に向けた動きが見られます。2015年からは、ノース・リンカンシャー・カウンシルが、いわゆる「グレーター・リンカンシャー」を構成する他の8つの自治体と共に、権限移譲に関する協議を開始しました。この協議が成功し、合意に至った場合、参加する各自治体は教育、交通、福祉、治安維持、社会保障といった多岐にわたる分野において、現在よりも大きな権限と責任を持つことが期待されています。これは、地域住民に対する公共サービスの向上や、より地域の実情に即した政策決定を目指すものです。

地域内の主なコミュニティ

ノース・リンカンシャーには、行政中心地であるスカンソープをはじめ、多くのタウンやヴィレッジが存在します。例えば、歴史の項で触れた旧バラの中心であったスカンソープや、比較的小規模ながらも地域社会を形成しているオールソープなどが含まれます。これらのコミュニティが集合して、現在のノース・リンカンシャーを構成しています。

この地域に関する更なる情報は、公式サイト（northlincs.gov.uk）で確認することができます。

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