ノートルダム大聖堂 (トゥルネー)

トゥルネーのノートルダム大聖堂

トゥルネーのノートルダム大聖堂は、ベルギーのトゥルネー市に位置し、ユネスコの世界遺産に登録されています。この壮大な大聖堂は、全長134メートル、翼廊の幅66メートル、高さ83メートルの5つの塔を特徴としており、西洋建築の美しさをあらわす傑作とされています。

歴史的背景

この大聖堂の建設は、12世紀から始まりました。その際には、ノートルダム信仰の広がりやトゥルネー市自体の繁栄が深く影響を与えたと考えられています。また、トゥルネー司教区をノワイヨン司教区から独立させるための動きも、この建設計画を後押しした可能性があります。1171年5月9日に献堂されたこの大聖堂は、その大部分が残されていますが、内陣は13世紀に新たにゴシック様式で建て替えられました。この内陣はアミアン大聖堂やソワソン大聖堂からの影響を受けた設計となっています。

また、大聖堂は1999年に発生した竜巻によって損傷を受け、建物の屋根に穴が開くなどの被害が出ました。そのため、2000年から修復作業が始まり、2030年には完成が予定されています。

建築の特色

身廊

この大聖堂における最古の部分である身廊は、ロマネスク様式で設計されており、12世紀に建造されました。ファサードには二つの塔がそびえ立ち、側廊も設けられています。この身廊は、後陣と4階建ての構造を持っており、1階部分、一般席、トリフォリウム、最上階の4階がとても特徴的です。穹窿は側廊のものだけが当時のまま残されており、他の部分は17世紀や18世紀に改修されています。それでも、その美しさと大きさは、訪れる人々に強い印象を与えています。また、特にマンティル門やカピトル門の彫刻は、ベルギーの教会装飾の中でも特筆すべき美を誇っています。

翼廊

翼廊の部分は、身廊との調和に欠ける部分もありますが、実際には12世紀後半に身廊と同じ時期に建造が始まっています。改修作業を通じて、フランスの影響を受けた円形の後陣が取り入れられ、より高い構造に改修されました。この翼廊は、全体として独自の教会のような雰囲気を持ち、大聖堂の中でも特に目を引く部分となっています。

世界遺産登録の基準

トゥルネーのノートルダム大聖堂は、以下の登録基準を満たして世界遺産として認められています：（2）ある時代や文化圏における建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展を示すものであり、（4）人類の歴史上重要な時代を反映した建築様式や技術の優れた例を持つ建物です。

関連項目

この大聖堂は、ノートルダム聖堂としても知られ、その名前は世界中の多くの同様の建物と共有されています。トゥルネーのノートルダム大聖堂は、歴史的、文化的に重要な位置を持つだけでなく、観光客にとっても魅力的なスポットとなっています。

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