トゥルネー

トゥルネー：ベルギー最古の都市、歴史と文化の宝庫

ベルギー南西部、エノー州に位置するトゥルネーは、2000年前にローマ帝国によって建設された古都です。その歴史は古く、フランスとの国境に近く、フランク王国の初代国王であるクロヴィス1世の生誕地としても知られています。そのため、フランスの揺籃の地と呼ばれることもあります。

ローマ時代の兵営都市トゥルナカムとして誕生した後、5世紀にはフランク人のサリ族が支配し、彼らの都となりました。クロヴィス1世の父、キルデリク1世の墓も1653年にこの地で発見されています。6世紀にはフランク王国の都市として司教座が置かれ、宗教の中心地としての役割も担いました。

中世にはフランドル伯の支配を受け、城塞都市として発展を遂げます。その後、カペー朝フランス、ブルゴーニュ公国、スペイン・ハプスブルク朝など、様々な勢力の支配下に置かれ、イングランドによる支配を受けた時代もありました。1[[5世紀]]から1[[6世紀]]にかけては、タペストリー生産が黄金時代を迎え、その高度な技術は世界的に高い評価を得ました。

17世紀にはネーデルラント継承戦争、18世紀にはスペイン継承戦争といったヨーロッパを揺るがした紛争に巻き込まれ、フランスとオーストリアの支配が入れ替わりました。18世紀には陶磁器生産でも栄え、経済的な繁栄を享受しました。フランス革命戦争後にはオランダ王国の一部となり、1830年のベルギー独立によってベルギー領となりました。第一次世界大戦と第二次世界大戦では、ドイツ軍の占領を受け、激戦地となるなど、近代史においても重要な役割を果たしました。第二次世界大戦中には、ドイツ空軍による大空襲も経験しています。

現在、トゥルネーは歴史的な建造物と豊かな文化遺産を観光資源として活かしています。中でも、世界遺産に登録されている2つの建造物は必見です。1188年に建設が始まったベルギー最古の鐘楼は、「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されています。その荘厳な姿は、トゥルネーの歴史と威厳を象徴しています。また、12世紀から建造が始まったノートルダム大聖堂は、美しい5つの塔を持つ壮麗な建物で、2000年に世界遺産に登録されました。

その他にも、1928年開館のトゥルネー美術館（アールヌーヴォーの巨匠ヴィクトル・オルタ設計）、1990年開館のトゥルネー市タペストリー織物博物館、古代ローマ時代やメロヴィング朝時代の遺物を展示する考古博物館など、様々な博物館が観光客を迎えています。これらの博物館では、トゥルネーの歴史と文化を多角的に学ぶことができます。

交通アクセスは、ブリュッセル中央駅から鉄道で約1時間、フランスのリールからは約20分と便利です。歴史と文化、そして美しい街並みを堪能できるトゥルネーは、ベルギー観光の新たな魅力を発見できる場所と言えるでしょう。

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