ノートルダム大聖堂 (ランス)

ランス・ノートルダム大聖堂

ランス・ノートルダム大聖堂（Cathédrale Notre-Dame de Reims）は、フランスの地域ランスに位置し、パリからは約130km東北東に所在します。1981年に黒ノートルダム大聖堂、サン＝レミ旧大修道院、トー宮殿と共にユネスコの世界遺産に登録されています。この大聖堂は、歴代のフランス国王の戴冠式を行う重要な場所となっており、フランスのカトリック教会においても重要な地位を占めています。

歴史

この大聖堂の起源は、496年にまでさかのぼります。フランク王国の初代国王クロヴィスは、ランス司教のレミギウスからキリスト教の洗礼を受けた由緒ある地となっています。その後、816年までにルイ1世が初めての戴冠式を行ったことから、ランス大聖堂は歴代フランス王の聖別を授ける場として使用されるようになりました。1825年のシャルル10世までに、合計32人の王がここで戴冠式を受けました。

現在の大聖堂は1210年の火災後に建設が始まり、1211年5月6日にその工事が始まりました。内陣は13世紀半ばに完成し、その後も工事は続きましたが、百年戦争の影響を受けて一時中断しました。14世紀には西側部分も完成を見ましたが、ファサード部分の完成は時間がかかり、南側の鐘塔は1445年、北側の鐘塔は1475年に完成しました。世界大戦中には大きな損害を受け、特に1914年の空襲で多くの彫像が損壊し、再建作業は1938年に完了しました。

建築

ランス・ノートルダム大聖堂は、ゴシック様式の素晴らしい例として認識されています。外観は垂直のラインが強調され、圧迫感を与えつつも内陣は広々とした印象を持ちます。特にフライング・バットレスによって支えられた広い身廊と、彫刻や彫像で飾られたファサードが際立っています。特筆すべきは西正門の彫像で、聖母マリアを題材にしたものが有名です。

大聖堂内部は長さ138.75m、幅30m、高さ38mという広大な空間を誇り、明るい印象を与えるよう設計されています。もともとのステンドグラスは18世紀に透明ガラスに変更されましたが、現在のステンドグラスはその豪華さで語り継がれています。特にシャガールによって作られたステンドグラスは1974年に設置され、シャンパンの製造過程をモチーフにしたものも存在します。ランスの大聖堂では、このようにして新旧の美しいデザインが共存しています。

文化的意義

この大聖堂における戴冠式は、ジャンヌ・ダルクに連れられたシャルル7世や、ルイ14世、ルイ16世など多くの国王にとって重要な儀式でした。特に、この大聖堂はフランスの歴史と文化に深く根付いた場所であり、多くの文学作品や芸術にインスピレーションを与えてきました。

ランス・ノートルダム大聖堂は、その美しさや重要性から、観光客や信者にとっても特別な存在であり続けています。

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