ノーネイネヴァー

ノーネイネヴァー：競走馬から成功種牡馬へ

ノーネイネヴァーは、アメリカ合衆国で誕生した競走馬であり、種牡馬として名を馳せたサラブレッドです。2013年、フランスで開催されたモルニ賞（GI）を制覇したことで、その名を世界に知らしめました。

競走馬としてのキャリア：

2011年生まれのノーネイネヴァーは、競売市場で取引された後、アイスワイン・ステーブルとクールモアグループの共同所有馬となりました。デビュー戦を勝利で飾ると、陣営は思い切った決断をします。当時としては非常に珍しいアメリカ産馬による欧州遠征です。その挑戦は見事に成功し、イギリスのノーフォークステークス（GII）を制しました。この勝利の後、クールモアグループがノーネイネヴァーの権利の半分を取得し、以降はマグナー夫人の勝負服でレースに挑みます。そして迎えた欧州遠征2戦目、フランスのモルニ賞（GI）でも勝利。見事、3連勝でGIタイトルを獲得しました。

3歳シーズンにはロイヤルアスコット開催への遠征も計画されていましたが、残念ながら故障のため叶いませんでした。その後、アメリカ国内で3戦を戦い、ブリーダーズカップ・ターフスプリントで2着に入った後、現役を引退。通算成績は6戦4勝という輝かしい記録を残しました。

種牡馬としての成功：

2015年、ノーネイネヴァーはアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りしました。初年度の種付け料は2万5000ユーロと設定されましたが、その能力の高さが証明されるのは時間の問題でした。

2018年、初年度産駒がデビュー。その活躍は早くも関係者の期待をはるかに超えるものとなりました。ミドルパークステークスを制したテンソヴリンズを筆頭に、多くの産駒が勝利を収め、その年の11月までに25頭以上の産駒が勝ち上がりました。

特に、2015年に急死した名種牡馬スキャットダディの後継種牡馬として大きな期待を集め、翌年の種付け料は初年度の4倍となる10万ユーロに跳ね上がりました。その後もその人気は衰えず、2020年には非Private種牡馬としてはクールモアスタッド過去最高額となる17万5000ユーロに設定されました。2021年と2022年には種付け料が若干下がったものの、2歳馬から古馬まで多くの産駒がG1競走や重賞競走を制覇したことで高い評価を維持し続け、2023年には再び17万5000ユーロに設定されています。

ノーネイネヴァー産駒の競走馬としての価値も非常に高く、2022年には2歳G1競走を制したブラックベアードの全妹であるムーリンがアイルランドのイヤリングセールで260万ユーロ（約3.6億円）という高額で落札されました。また、同じ年にジュライカップを勝利したアルコールフリーも、タタソールズ・ディセンバー・メアズセールで540万ギニー（約9.6億円）という驚異的な価格で落札されています。

主な産駒：

ノーネイネヴァーは、ミドルパークステークス、ジュライカップを制したテンソヴリンズ、コロネーションステークス、サセックスステークス、ジュライカップを制したアルコールフリー、モルニ賞、ミドルパークステークスを制したブラックベアードなど、数々のG1競走勝ち馬を輩出しました。これらの産駒の活躍は、ノーネイネヴァーの種牡馬としての能力の高さを証明しています。

血統：

ノーネイネヴァーの母であるキャッツアイウィットネスは、現役時代12戦1勝の成績を残しました。また、その半兄であるキャッツキャリアはG3アクアクハンデキャップを制しています。

ノーネイネヴァーは、競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬としての圧倒的な成功により、サラブレッドの歴史にその名を刻む存在となりました。その血統は、世界中の競馬界に大きな影響を与え続けています。

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