ノール ノレクリン

ノール ノレクリン（Nord Norécrin）

ノール ノレクリンは、フランスのSNCANによって設計され生産された小型単葉機です。この航空機は、主に2座ないし3座として設計されましたが、後に4座まで進化しました。ノレクリンの開発はフランスの運輸省が主催した設計コンペティションへの応募を目的としたものです。

開発の経緯

この航空機は、片持ち式の低翼構造を持ち、固定式の降着装置を搭載しています。初期の試作機であるノール 1200は、機首に100hpのマティスG4Rピストンエンジンを装着していました。その後、量産型のノール 1201 ノレクリン Iが登場し、これは140hpのルノー4P01エンジンを搭載した3座型のモデルとして生産されました。

ノレクリンは様々な派生型が存在し、最終的に約470機が生産されました。後の派生型では4座仕様となり、特に軍用のノレクリン Vは、機関銃とロケット弾を装備している点が特徴です。

派生型の詳細

ノレクリンの派生型には、多くのモデルがあります:

• - 1200 ノレクリン: 100hpのマティスG4Rエンジン搭載の試作機。
• - 1201 ノレクリン I: 3座の量産型で、140hpのルノー4P01エンジンを搭載。
• - 1202 ノレクリン: 4座型の試作機。
• - 1203 ノレクリン II: 135hpのレニエール4L00エンジンを搭載した量産型。
• - 1203 ノレクリン III: ノレクリン IIの降着装置を改良したモデル。
• - 1203 ノレクリン IV: 170hpのレニエール4L02エンジン搭載。
• - 1203 ノレクリン V: 武装した軍用機。
• - 1203 ノレクリン VI: 1955年製の145hpのレニエール4L14エンジン搭載モデル。
• - 1204 ノレクリン: 125hpのコンチネンタルC125エンジンを搭載。
• - 1204/II ノレクリン: 145hpのコンチネンタルC145エンジン搭載モデル。

運用されている国々

ノレクリンは、多くの国で運用されました。特に軍事利用されている国々には、アルゼンチン（沿岸警備隊）、フランス（空軍・海軍）、イスラエル（空軍）、スイス（空軍）があります。ブラジルでは1機のみが運用されています。

仕様詳細

ノレクリンの要目は次の通りです（1203 ノレクリン II）:

• - 乗員: 1名 + 3名
• - 全長: 7.21 m
• - 全幅: 10.22 m
• - 全高: 2.90 m
• - 翼面積: 13 m²
• - 空虚重量: 652 kg
• - 全備重量: 1050 kg
• - 最高速度: 280 km/h
• - 巡航高度: 5000 m
• - 航続距離: 900 km
• - エンジン: 1 × レニエール4L00 直列ピストンエンジン 135 hp

ノール ノレクリンは、史上数少ない成功した国産民間航空機の一つであり、その機体のデザインと機能性から、長年にわたり多くの航空愛好家に支持されてきました。

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