ノー・ウェイヴ

ノー・ウェイヴ (No Wave)

ノー・ウェイヴは、1970年代後半にニューヨークのアンダーグラウンドシーンから生まれた音楽ムーブメントです。しかし、その影響は音楽だけに留まらず、パフォーマンスアート、コンテンポラリーアート、ミュージックアート、映画、ビデオなどのメディアアートにも及び、幅広い芸術活動を包括する概念として捉えられています。

概要

ニュー・ウェイヴが世界的な音楽シーンで大きな影響力を持つようになると、商業的な成功を収めるジャンルも現れ始めました。これに対し、既存の枠組みにとらわれない音楽を追求するアーティストたちが、フリー・ジャズ、実験音楽、前衛音楽、ノイズといった要素を取り入れた新たな表現を模索し始めます。このような背景から、ノー・ウェイヴのムーブメントが誕生しました。

1978年にリリースされたコンピレーション・アルバム『ノー・ニューヨーク』は、ジェームス・チャンス、DNA、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスといった、このシーンを代表するアーティストたちの楽曲を収録しており、ノー・ウェイヴを広く知らしめるきっかけとなりました。

ジャンル名の語源

ノー・ウェイヴというジャンル名の由来には、いくつかの説があります。

ニュー・ウェイヴ（New Wave）の隆盛を皮肉って、そのアンチテーゼとして「ノー・ウェイヴ（No Wave）」という言葉が生まれたという説
ブライアン・イーノがプロデュースしたアルバム『ノー・ニューヨーク』の音楽を、リディア・ランチが「ノー・ウェイヴ」と評したという説

当時ノー・ウェイヴの中心的な存在であったZEレコードの創立者、マイケル・エステバンは、この名称は自身が考案したものではなく、ジャーナリストが言い出したものだと語っています。

主なアーティスト

ノー・ウェイヴを代表するアーティストとしては、以下のような名前が挙げられます。

ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ (James Chance and the Contortions)
DNA
ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス (Teenage Jesus and the Jerks)
セオレティカル・ガールズ (Theoretical Girls)
ソニック・ユース (Sonic Youth)
リジー・メルシエ・デクルー
サーストン・ムーア
リキッド・リキッド
イクエ・モリ
グレン・ブランカ
クリスティーナ
リチャード・エドソン
アート・リンゼイ
リディア・ランチ
ラウンジ・リザーズ (The Lounge Lizards)
Love Child
マーズ (Mars)
モファンゴ (Mofungo)
No More
The Scissor Girls
Stick Against Stone
The Stick Men ※パンク・バンド
スワンズ (Swans)
エイト・アイド・スパイ (8 Eyed Spy)
Band Aid ※イタリアのバンド
Bush Tetras
Circle X
Cool It Reba
The Del-Byzanteens
Disband
Gray
The Gynecologists
アイク・ヤード (Ike Yard)

関連項目

20世紀美術
* No Wave Wikia

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