ハイサム・ビン・ターリク・アール＝サイード

ハイサム・ビン・ターリク・アール＝サイード：オマーンの国王

ハイサム・ビン・ターリク・アール＝サイード（Haytham bin Tariq Al Said、1954年10月13日生まれ）は、オマーンの国王（スルターン）として2020年1月11日に即位しました。彼は前国王カーブース・ビン・サイードのいとこにあたります。日本語メディアでは時に「ハイサム・ビン・タリク・サイド」と表記されることもあります。

学歴・初期キャリア

ハイサムは1979年にオックスフォード大学を卒業し、その後、1983年から1986年まで初代オマーンサッカー協会の会長を務めました。このポジションを経て、彼は1986年から1994年まで政治問題担当の外務次官を、続いて1994年からは外務省の事務総長に就任しました。さらに、2002年から2020年まで遺産文化大臣を務め、多くの重要な文化促進活動に寄与しました。特に彼は在任中の2002年、2008年、2014年に日本を訪問しており、これによりオマーンと日本の文化交流が深まったとされています。

国王即位の背景

2020年1月10日、カーブース・ビン・サイードが崩御しました。カーブース王は実子がおらず、生前に後継者を公式に指名していなかったため、後継者選びが注目されました。従来、彼の異母兄であるアスアド・ビン・ターリク・ビン・タイムール国王代理兼副首相が有力視されていましたが、遺言の開封によって実際にはハイサムが後継者に指定され、1月11日に王位を継承しました。

王位継承後の役割

ハイサムは新たに国王となった後、首相、軍最高司令官、国防大臣、財務大臣、外務大臣といった重要な職務も兼任することになりました。しかし、2020年8月18日に行われた政府の再編に伴い、彼は財務大臣と外務大臣の職を退くことを決定し、同時にそれに付随する実務を担当する大臣職も廃止しました。これにより、オマーンの政府運営に新たな秩序がもたらされ、彼自身のリーダーシップが試されることとなりました。

文化的貢献と将来の展望

ハイサム国王は、文化的遺産の保護と促進に力を入れており、遺産文化大臣としての経験を活かして、オマーンの国際的地位を高める施策を進めています。また、彼の時代に入ってからは、オマーンの経済多様化や社会の現代化を目指す取り組みも見られます。彼のリーダーシップの下、オマーンは引き続き文化的・経済的発展を進めることが期待されています。特に、観光業の振興や若者たちへの支援政策については特に注目されています。ハイサムのビジョンは、伝統と新しい技術やアイデアを融合させることに重点を置いており、彼の国統治はオマーンに新たな道を切り開くものとして評価されています。

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