ハイパージャグラーV

ハイパージャグラーV：異端児ジャグラーの光と影

ハイパージャグラーVは、2002年に北電子が開発・販売したパチスロ機です。人気機種ゴーゴージャグラーのデザインをベースに、ジャグラーシリーズとしては異例の多彩な演出を搭載し、登場当初は注目を集めました。

特徴的な演出

本機の最大の特徴は、従来のジャグラーシリーズにはなかった豊富な演出です。レバーON時のリールバックライトによるフラッシュ演出や予告音、ボーナス絵柄のスペシャルテンパイ音、そして全リール停止後のフラッシュ演出など、様々なパターンが存在しました。これらの演出は、ボーナスや小役成立の期待感を高める役割を担っていましたが、同時に、従来のジャグラーファンからは「余計な演出」と捉えられてしまう側面もありました。

特に、ボーナス成立時には必ずチャンスランプが点灯する仕様だったため、リール制御によって小役を取りこぼしていた事実が露呈し、初心者にとっては厳しい現実を突きつけられる結果となりました。

短命に終わった理由

ハイパージャグラーVは、旧筐体の入れ替え時期と重なったことで一定の設置台数を確保しましたが、その人気は長続きしませんでした。理由は大きく分けて二つあります。

一つ目は、従来のジャグラーシリーズと比較して波が荒いという点です。ハイパージャグラーVは、設定の高低によって出玉率が大きく変動するため、安定した遊技を求めるファンからは敬遠されました。

二つ目は、演出に対する評価が低いという点です。多彩な演出は、従来のジャグラーのシンプルなゲーム性を好むファンからは受け入れられず、「演出がイマイチ」という酷評も多く見られました。

これらの要因が重なり、ハイパージャグラーVは、4号機時代のジャグラーシリーズとしては比較的新しい機種でありながら、長期にわたって設置されるホールは少なかったのが現状です。

シリーズへの影響

ハイパージャグラーVの不評は、その後のジャグラーシリーズに大きな影響を与えました。特に、演出面においては、本機の反省から、シリーズ後継作品では演出はすべてプレミアムとして扱われるようになり、ボーナス不成立時に演出が発生することはなくなりました。この変更により、ジャグラーシリーズは、シンプルなゲーム性と告知ランプによる完全告知という原点回帰を果たし、再び多くのファンを獲得することに成功しました。

ハイパージャグラーVは、ジャグラーシリーズにおける異端児的な存在であり、その評価は賛否両論分かれます。しかし、その存在は、ジャグラーシリーズの方向性を再定義し、現在のジャグラーシリーズの礎を築いたという点で、大きな意味を持つと言えるでしょう。

ジャグラー＝完全告知という図式が再認識された一台である。

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