ハインリヒ3世 (ケルンテン公)

ハインリヒ3世：エッペンシュタイン家最後のケルンテン公

ハインリヒ3世（1050年頃 - 1122年12月4日）は、中世ドイツのエッペンシュタイン伯であり、ケルンテン公（在位：1090年 - 1122年）およびヴェローナ辺境伯としても知られています。彼はエッペンシュタイン家出身でケルンテン公となった最後の人物であり、その生涯は当時の政治的、宗教的な対立と深く関わっています。

生涯

ハインリヒ3世は、マルクヴァルト4世フォン・エッペンシュタインとリウトビルク・フォン・プラインの息子として生まれました。兄のリウトルトは、1077年にツェーリンゲン家のベルトルト2世がケルンテン公を廃位された後、皇帝ハインリヒ4世からケルンテン公領を与えられました。兄弟は叙任権闘争において皇帝ハインリヒ4世を支持し、カノッサの屈辱の際も皇帝に忠実でした。諸侯が対立王としてルドルフ・フォン・ラインフェルデンを選んだ際、エッペンシュタイン家はハインリヒ4世がドイツに戻るための安全な通行路を確保しました。

1077年頃、ハインリヒ4世はハインリヒ3世にクライン辺境伯領およびイストリア辺境伯領を与えました。1090年に兄リウトルトが後継者なく死去すると、ハインリヒ3世はケルンテン公領およびヴェローナ辺境伯領を皇帝から与えられましたが、クライン辺境伯領はアクィレイア総大司教領となり、イストリア辺境伯領はヴァイマル＝オーラミュンデ伯ポッポ2世に与えられました。ハインリヒ3世はアクィレイア総大司教であった弟ウルリヒ1世のもとで総大司教領のフォークトを務めました。1105年にローマ王ハインリヒ5世が父皇帝ハインリヒ4世を廃位した際には、ハインリヒ3世は弟ウルリヒと共にハインリヒ5世を支持しました。叙任権闘争の間に、1121年にハインリヒ3世はザルツブルク大司教コンラート1世との間で武力衝突を起こしました。

ハインリヒ3世は3度結婚しましたが、子供を得ることはありませんでした。3度目の結婚では、オーストリア辺境伯レオポルト2世の娘ゾフィーと結婚しました。

1122年にハインリヒ3世が死去すると、エッペンシュタイン家は断絶しました。ケルンテン公領は、ハインリヒ3世が代父となっていたシュポンハイム家のハインリヒ4世に与えられました。

参考文献

Florin Curta. Southeastern Europe in the Middle Ages, 500–1250. Cambridge University Press, 2002.
John Eldevik. Episcopal Power and Ecclesiastical Reform in the German Empire: Tithes, Lordship, and Community, 950–1150. Cambridge University Press, 2012.
* I. S. Robinson. Henry IV of Germany, 1056–1106. Cambridge University Press, 2003.

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