ハウランド島

ハウランド島（Howland Island）

ハウランド島は北太平洋に位置する、アメリカ合衆国の無人島で、合衆国が領有する小離島の一つです。この島は、世界で最も遅い時間帯であるUTC-12の地域にあり、地球の中でも特異な存在感を持っています。

地理的特徴

ハウランド島の位置は、北緯0度48分、西経176度37分であり、ホノルルからは約3,100km南西方向に位置しています。面積は1.84平方キロメートルと小さく、海岸線の延長は6.4キロメートルです。この島には港や空港といった交通施設は存在せず、また、淡水を得ることもできません。ハウランド島は、アメリカ合衆国魚類野生生物局の管轄下にあり、国立野生保護区として保護されています。これは、アメリカの未編入地域であり、領有小離島のカテゴリーに属します。

歴史的背景

発見の初期

ハウランド島は、1822年にアメリカの捕鯨船『オエノ号』のジョージ・B・ワース船長によって発見され、当初「ワース島」と名付けられました。続く1828年にはニューベッドフォードの捕鯨船『ミネルバ・スミス号』のダニエル・マッケンジー船長がこの島に到達し、彼はその島に名前がついていることを知らずに、所有者への敬意を表して「ハウランド島」と再命名しました。

その後も、1832年と1839年にこの島を訪れた捕鯨船『ギデオン・ハウランド号』のマイケル・ベーカー船長、1842年に『イザベラ号』のジョージ・E・ネッチャー船長が島を訪れます。ネッチャー船長は、この島を再発見したとの名誉から「ハウランド島」と名付けたと言われています。

グアノ採掘と領有権

1857年にはアメリカン・グアノ・カンパニーがこの島を含むベーカー島と共に領有し、その後グアノの採掘が始まります。しかし、1886年にはイギリスがこの島の領有権を一時主張し、1885年から1891年にかけてはイギリスのグアノ会社が採掘を行いました。この時期の島の歴史は、他国の干渉があったことを示しています。

近代

dは1935年に、ハウランド島はベーカー島やジャーヴィス島と共に入植が試みられたこともありましたが、1937年にはアメリア・イアハートがこの島を目指して飛行中に遭難し、さらには第二次世界大戦勃発により、島民は島を離れることになり、入植が放棄されました。

標準時

ハウランド島ではUTC-12を採用しているため、地球上で最も遅い時間を迎える場所の一つとされています。これは同様の条件を持つベーカー島と共通点があります。

結論

ハウランド島はその地理的特徴と歴史的背景から、独特な魅力を持つ場所です。無人の島でありながら、さまざまな歴史的事件と結びついており、自然環境を保護するための国立野生保護区としても重要な役割を果たしています。

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