ハチャプリ

ハチャプリ：ジョージアの伝統食

ハチャプリ（グルジア語: ხაჭაპური、英語: Khachapuri）は、南コーカサスに位置するジョージアの名物料理で、主にチーズを詰めたパンとして知られています。この料理は発酵させた生地から作られ、地域によってさまざまな形やスタイルが存在します。基本的なフィリングには、フレッシュチーズや発酵チーズが使用されるのが一般的ですが、その中でも特に人気があるのはスルグニというチーズです。スルグニは、そのクリーミーで豊かな風味が特徴です。

ハチャプリの種類

ハチャプリは、ジョージア内の地域ごとに異なるスタイルが楽しめます。代表的な種類をいくつか紹介します。

1. イメレティ（イメルリ）のハチャプリ
円形の形状で、最も一般的なタイプとされています。素朴ながらも味わい深いので、多くの人に親しまれています。

2. アジャリア（アチャルリ/アジャルリ）のハチャプリ
ブーツのような形に成形され、焼き上げた後に生卵とバターがトッピングされ、そのまま食べるスタイルです。熱々の状態で提供されるため、バターが生卵と混ざり合い、絶妙な風味が味わえます。

3. サメグレロ（メグルリ）のハチャプリ
イメレティのタイプに似ていますが、さらに上にチーズがたっぷりかけられ、リッチな味わいになります。チーズ好きにはたまらない一品です。

4. アブハジア（アチュマ）のハチャプリ
複数の層にチーズを挟み込んだスタイルで、ソースのないラザニアのような形をしています。このタイプは「アチュマ」という名で呼ばれ、アブハジアハチャプリという名称での認識は一部でしか行われていません。

5. グリア（グルリ）のハチャプリ
生地の中にゆで卵が入っているハチャプリで、カルツォーネに近いスタイルです。クリスマスに特に作られるため、「クリスマスパイ」とも呼ばれます。また、他の地域では「グリア・パイ」としても知られています。

6. オセチア（オスリ）のハチャプリ
このタイプは、チーズだけでなくじゃがいももフィリングに含まれています。通常「ハビジニ」と呼ばれ、さまざまなバリエーションが楽しめます。

7. スヴァネティ、ラチュリ、ペノヴァニのハチャプリ
これらの地域でも独自のハチャプリがあり、それぞれの地域色を反映したユニークなレシピが存在します。

経済の指標

ハチャプリの材料費は、ジョージアの主要生産品とともに、トビリシ国立大学国際経済学校が開発した「ハチャプリ指標」として知られています。この指標は、国内の各都市間のインフレ率を測る手段として活用されています。

日本での人気

日本でもハチャプリは注目を集めています。フジパンからは「ハチャプリ～たまご～」という惣菜パンが販売され、駐日ジョージア臨時代理大使からも好評を得ているとのことです。これにより、日本の食文化においてもハチャプリの存在が広がっていくことでしょう。

ハチャプリはその独特の風味と多彩なスタイルで、世界中の人々に愛される料理です。ぜひ一度、ジョージアの味を体験してみてください。

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