ハツォル

ハツォル（Hazor）

ハツォルとは、旧約聖書に登場する地名で、その名は「集落」という意味を持つとされています。北パレスチナに位置し、ガリラヤ湖の北、フーレ湖の西南約8キロメートルの場所にあり、現在のテル・ハツォルがこれに該当します。

歴史的背景

ハツォルは、フーレ平原の中心地にあり、古代のエジプトと小アジア、さらにはメソポタミアをつなぐ重要な交通路沿いに発展してきました。このため、町は古代から繁栄を誇りました。その歴史は、旧約聖書における多くの出来事と深く結びついており、特にカナン攻略における役割が注目されます。

イスラエルの指導者ヨシュアがカナンを征服した際、ハツォルの王ヤビンは反イスラエル同盟のリーダーとして登場します。この同盟軍は、イスラエル軍によって打ち破られ、町の住民は聖絶され、町自体も破壊されました。しかし、その後再建され、ナフタリ族の領地の一部として組み込まれることになります。

再建後、ハツォルはカナンの先住民族によって再度支配の脅威にさらされました。特に、ヤビンがその指導者として立ち上がった時期には、ナフタリ族の権益が危機に瀕しましたが、この脅威は預言者デボラと士師バラクによって強力に打ち破られました。

ソロモン時代とアッシリアの侵攻

ハツォルの戦略的重要性は、ソロモンの時代にも引き続き認識され、軍事的な要塞として整備されました。ソロモン王は、この地点を維持・強化するための様々な施策を講じました。歴史的には、アハブ王もその要塞を再整備したとされています。

しかし、前733年にはアッシリアのティグラテ・ピレセル3世が指揮する軍隊により攻略を受け、またしても破壊される運命に見舞われます。このように、ハツォルは歴史を通じて多くの国と勢力に翻弄されながらも、その地理的な利点から重要な場所であり続けました。

今回のハツォルの物語は、古代中東地域における政治的、軍事的な動向を理解する上で欠かせない要素とされています。この場所は、戦略的な要因からその後の歴史にも大きな影響を与えたのです。

参考文献

• - 『新聖書辞典』いのちのことば社、1985年

関連項目

• - 聖書ゆかりの遺丘群：メギド、ハツォル、ベエル・シェバ

外部リンク

• - Tel Hazor National Park - Israel Ministry of Tourism

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