ハティエン

ハティエン（ベトナム語：Thành phố Hà Tiên、漢字：城庯河僊）は、ベトナム南西端に位置するキエンザン省の都市です。メコンデルタ地方に属し、カンボジアとの国境に接する港町として知られています。

地理と概要

ハティエンは、ベトナム本土の最南西端に位置し、島嶼部を除けばベトナムの南西端にあたります。メコン川からは、チャウドックを経由してヴィンテー運河を通じて繋がっています。この地理的な位置から、古くから交通の要所として栄え、多様な文化が交錯する場所となりました。

歴史

ハティエンは、かつてカンボジアの領域の一部でした。18世紀初頭には、華人の開拓者である鄚玖（Mạc Cửu）によって開かれた半独立国家「港口国」の一部となり、広南国に朝貢を行っていました。この時期には、貿易港として発展し、地域の経済と文化の中心地となりました。18世紀末にはベトナムの領域となり、現在に至っています。ハティエンの歴史は、東南アジアの複雑な歴史を反映しており、文化的にも多様な側面を持っています。

行政区画

現在のハティエンは、以下の4つの坊と3つの社から構成されています。

ビンサン坊（Bình San / 平山）
ドンホ坊（Đông Hồ / 東湖）
ミードゥク坊（Mỹ Đức / 美德）
ファオダイ坊（Pháo Đài / 砲台）
トーチャウ社（Tô Châu / 土珠）
トゥアンイエン社（Thuận Yên / 順安）
* ティエンハイ社（Tiên Hải / 仙海）

これらの行政区画は、ハティエンの多様な地域特性を示しており、それぞれの地域で異なる文化や産業が育まれています。

交通

ハティエンへのアクセスは、陸路と海路があります。ホーチミン市からはバスで約8時間で到着できます。また、フーコック島のハムニン港やタントイ港からは高速船で約1時間半でアクセスできます。これらの交通手段により、ハティエンはベトナム国内の主要都市や島嶼部とのアクセスが容易であり、観光や貿易の拠点としての役割を担っています。

著名な出身者

ハティエン出身の著名な人物としては、芸術家のディン・Q・レが挙げられます。彼の作品は、国際的にも評価されており、ハティエンの文化的な豊かさを示す一例と言えるでしょう。

ハティエンは、その歴史的な背景と地理的な特性から、独特の文化と景観を持つ都市です。メコンデルタ地方を訪れる際には、その魅力を体験することをお勧めします。

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