ハナヒョウタンボク

ハナヒョウタンボクについて

ハナヒョウタンボク（花瓢箪木、学名: Lonicera maackii）は、スイカズラ科に属する落葉性の小高木です。この植物は、通常2mから4mの高さに達する直立した枝を持ち、まれに5mにまで成長します。全体の特徴として、樹皮は褐色から灰褐色に変わり、縦に裂けて剥がれる性質を持っています。また、若い枝は茶褐色で、表面には短い毛があります。

特徴

ハナヒョウタンボクは、その葉や花においても興味深い特徴を持っています。葉は対生しており、通常長さ3から8.5cm、幅1から4cmの狭倒卵形から狭倒披針形です。葉の先端はとがり、基部はくさび形になっており、全体の縁は滑らかです。葉の両面には葉脈に沿った屈毛が生え、裏面には微細な油点が見られます。

花の時期は6月中旬から始まり、葉腋から2-4mmの短い花柄が出て、その先に2個の花が咲きます。子房の基部には2個の線状披針形の苞が付きます。花冠は2唇形で長さ17-22mm、初めは白色または帯紅白色ですが、次第に黄色に変わります。上唇は4浅裂し、下唇は広線形になります。雄蕊は5本あり、花冠よりわずかに短いですが、花冠筒から長く伸びるのが特徴です。雌蕊は1本で、花柱には密に軟毛が覆われており、柱頭は頭状です。果実は赤い球状の液果で、径は5-8mmほどです。

生育環境

この植物は、日本では青森県、岩手県、群馬県、長野県にを見ることができ、特に湿気の多い山地や沢沿いに生息しています。石灰岩地を好むこともあります。国際的には、ハナヒョウタンボクは朝鮮半島や中国大陸北部、モンゴル、東シベリアに分布しています。特にロシアの沿海州では水辺の林でよく見かける植物です。ただし、北アメリカ大陸では帰化植物としてさまざまな植生に広がり、その影響が懸念されています。

名前の由来

和名の「ハナヒョウタンボク」は、牧野富太郎が命名したもので、花がヒョウタンに似ていることに由来します。また、種小名の「maackii」は、ロシアの探検家でナチュラリストのリヒャルト・マークにちなんで名付けられています。

保全状況

ハナヒョウタンボクは、絶滅危惧II類（VU）に指定されていることから、比較的まれな植物として認識されています。各都道府県のレッドデータの評価は色々で、青森県では絶滅が危惧され、岩手県ではAランクに指定されています。長野県には「長倉のハナヒョウタンボク群落」が天然記念物に指定されている他、岩手県にも葛巻町の群落が同様の指定を受けています。

以上が、ハナヒョウタンボクについての概要です。この植物が持つ特異な特性とその生育環境は、多くの人々にとって非常に興味深いものとなっています。

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