ハノイ駅

ハノイ駅は、ベトナムの首都ハノイ市のドンダー区に位置する、ベトナム鉄道の重要なターミナル駅です。1902年にフランス植民地時代に建設されたこの駅は、当初ルネサンス様式の美しい建築物でした。しかし、1972年のベトナム戦争中、駅の中央部が爆撃により破壊されるという悲劇に見舞われました。

その後、破壊された中央部分はソビエト様式で再建され、爆撃を免れた駅の両側の部分と組み合わさることで、ハノイ駅は独特の建築様式を持つ駅となりました。この新旧の融合は、ベトナムの歴史を今に伝える象徴的な風景となっています。ハノイ駅は、ベトナムの主要路線である南北線（統一鉄道）をはじめ、ラオカイ線、クアンチエウ線、ドンダン線、ハイフォン線の4つの支線が乗り入れるターミナル駅として、連日多くの人々で賑わっています。

ハノイ駅のもう一つの特徴として、ゴクホイ駅から当駅を経由してイエンヴィエンに至る区間に、ハノイ・メトロ1号線の建設が計画されている点が挙げられます。この計画は、ハノイの都市交通の発展に大きく貢献すると期待されています。

駅の構造は、3面5線の地上駅です。ホームは嵩上げされておらず、線路とほぼ同じ高さにあります。駅構内は石畳で舗装されており、まるで併用軌道のような雰囲気を持っています。駅付近の本線路にも併用軌道区間が存在します。また、ハノイ駅の西側には「ハノイB駅」と呼ばれる別の駅舎があり、こちらは別名Tran qui cap駅とも呼ばれています。南北鉄道はハノイ駅が主要な駅となりますが、ハノイ以北へ向かう場合はハノイB駅を利用するように案内されることもあります。

利用可能な路線

ベトナム鉄道
南北線（統一鉄道）
ハノイ・ラオカイ線
ハノイ・クアンチエウ線
ハノイ・ドンダン線
ハノイ・ハイフォン線

歴史

1902年: 開業
1972年: 駅舎爆撃
1976年: 駅舎再建

隣の駅

ベトナム鉄道
南北線（統一鉄道）: ハノイ駅 - ザップバット駅
ハノイ・ラオカイ線: ハノイ駅 - ロンビエン駅
ハノイ・クアンチエウ線: ハノイ駅 - ロンビエン駅
ハノイ・ドンダン線: ハノイ駅 - ロンビエン駅
ハノイ・ハイフォン線: ハノイ駅 - ロンビエン駅

ハノイ駅は、その歴史と多様な鉄道網によって、ハノイの重要な交通拠点としての役割を担っています。また、建設中のハノイ・メトロ3号線（ニョン駅 - ハノイ駅間）との接続も予定されており、今後ますますその重要性を増していくことが予想されます。

参考文献

『アジアの鉄道を旅する』（高橋敏厭昭著、山海堂、1998年）

関連項目

ベトナムの鉄道
ハノイ・メトロ

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