ハミルトン・カウンティ (戦車揚陸艦)

ハミルトン・カウンティ (USS Hamilton County, LST-802)

ハミルトン・カウンティ（USS Hamilton County, LST-802）は、アメリカ海軍に向けて建造された戦車揚陸艦の一隻であり、LST-542級に属します。この艦はアメリカの地名であるハミルトン郡にちなんで名付けられ、これまでに同名の艦は存在しません。

経歴

第二次世界大戦

1944年9月2日、LST-802はジェファーソンビル船舶機械で起工され、同年10月19日に進水式が行われました。この進水式にはドロレス・アルバーツ夫人が参加し、艦はK・G・アダムス大尉の指揮の下、1944年11月に就役しました。フロリダ沖での慣熟航海を経て、艦は物資を積み込むためにミシシッピ州ガルフポートを出発し、12月18日にニューオーリンズを出港しました。

その後、パナマ運河を通過し、1945年2月4日に真珠湾に到着し、積荷を降ろした後、ソロモン諸島へ向かいました。3月7日にはガダルカナル島に到着し、海兵隊員をグアムへ輸送する任務を遂行します。4月3日にサイパンに到着し、沖縄侵攻作戦に備え、150名の海軍工兵を搭載して4月12日に琉球諸島へ向かいました。沖縄本島の金武湾にて物資の揚陸活動を行い、戦争終結まで沖縄とフィリピン間で人員及び物資輸送に従事しました。

終戦後も、ハミルトン・カウンティは1946年4月まで極東での占領任務に従事し、7月21日に退役、以後は日本商船管理局の管理下に移されました。

朝鮮戦争

1950年の朝鮮戦争勃発に際して、艦は再就役し、横須賀基地から出港しました。9月10日、艦は神戸で第1海兵師団を搭載し、仁川上陸作戦に参戦して揚陸を成功させました。この作戦はダグラス・マッカーサー元帥から高く評価され、以降も仁川への追加輸送任務を行いました。10月15日には元山方面での輸送任務を担当し、その後12月中頃には興南方面での撤退支援任務に従事しました。

その後、多くの輸送任務を経てアメリカ本土への帰還が決まり、8ヶ月後、再度前線へ復帰しました。1951年11月から1952年の6月まで、艦は韓国周辺での物資輸送や撤退支援などを担当し、1954年2月まで極東での任務を続けました。

太平洋艦隊

1955年には第一次台湾海峡危機に際し、極東へ派遣されました。この時、艦は中華民国側の軍人や物資を台湾に避難させる任務を担いました。1955年7月1日にハミルトン・カウンティと改名された後、艦はカリフォルニア州沿岸で任務に就きました。その後、1956年に西太平洋に派遣され、掃海訓練に従事しました。

海上自衛隊

ハミルトン・カウンティは、米海軍からの購入により日本の海上自衛隊に引き渡され、「はやとも（MST-461）」と改名されました。艦内は改装され、掃海隊群の旗艦としての任務も与えられました。速度は遅かったものの、そのサイズと構成から母艦としての機能を持ち、1961年には第1掃海隊群の旗艦として編入されました。しかし、1972年には退役となりました。

ハミルトン・カウンティは、合計8つの従軍星章を受章しており、これは第二次世界大戦での戦功に加え、朝鮮戦争での功績によるものであります。

脚注

この歴史的背景はアメリカ合衆国政府が提供している資料から引用されており、詳細は各種文献にて確認できます。

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