ハム太郎とっとこうた

ハム太郎とっとこうた - 国民的アニメソングの軌跡

「ハム太郎とっとこうた」は、子供から大人まで幅広い世代に愛される、テレビアニメ『とっとこハム太郎』のオープニングテーマです。この楽曲は、単なるアニメソングという枠を超え、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。

誕生秘話と初期の展開

この楽曲のルーツは、原作者である河井リツ子先生が口ずさんだ鼻歌にあります。そのメロディを採譜・編曲したものが、楽曲の原型となりました。驚くべきことに、テレビアニメに起用される以前から、1997年に小学館から発行された書籍に楽譜と歌詞が掲載されていたのです。また、1999年発表のOVAでも主題歌として使用されており、初期から作品を彩る重要な要素でした。

テレビアニメ版の編曲と劇中での登場

テレビアニメ版の編曲は、岩崎元是氏が担当しました。彼の編曲によって、よりポップで親しみやすい楽曲へと生まれ変わりました。さらに、アニメの第9話では、ハムちゃんずの団歌として劇中で歌われるシーンもあり、物語と音楽が一体となった印象的な演出がなされました。

リリース情報

「ハム太郎とっとこうた」は、日本コロムビアから『とっとこハム太郎』の主題歌CDとしてリリースされました。様々なバージョンが存在し、それぞれ異なる魅力を持っています。

ハム太郎とっとこうた (2000年9月30日発売)
テレビアニメ『とっとこハム太郎』オープニングテーマ
カップリング曲：「200%のジュモン」（エンディングテーマ）
ハム太郎とっとこうた つづきでちゅ (2001年12月1日発売)
テレビアニメ『とっとこハム太郎』オープニングテーマ
カップリング曲：「てをつなごう」（エンディングテーマ）、「ハッピーハムハムバースデイ」（OVA主題歌）
ハム太郎とっとこうた またつづきでちゅ (2002年10月19日発売)
テレビアニメ『とっとこハム太郎』オープニングテーマ
カップリング曲：「すてきな なつの おくりもの〜ハムハムホリデイ、いつまでも〜」（OVA主題歌）

これらの楽曲は、数多くのアルバムにも収録され、長年にわたって親しまれています。

国境を越えた人気

「ハム太郎とっとこうた」は、日本国内だけでなく、海外でも高い人気を誇ります。2006年度には、日本国外からJASRACに支払われる著作権使用料分配額で年間8位にランクインしました。これは、世界中でこの楽曲が愛され、使用されている証拠と言えるでしょう。

多様なカバーとアレンジ

この楽曲の魅力は、様々なアーティストによってカバーされ、多彩なアレンジが施されている点にもあります。伊藤健太郎氏やRabits & 流星隊など、声優やアイドルユニットによるカバーも存在します。

また、ハム太郎（間宮くるみ）によるソロバージョンや、千秋 with ハムちゃんずによるロングバージョン、オーケストラバージョン、和風バージョンなど、数多くのバリエーションが存在し、聴く人を飽きさせません。

社会現象と影響

2001年には、第52回NHK紅白歌合戦でモーニング娘。とハムちゃんず、ミニハムずによって披露され、大きな話題を呼びました。また、2019年には関西電力のCMソングとしてアレンジバージョンが使用され、再び注目を集めました。

近年では、DJイベントでアニソンとして流されることが流行し、サークルモッシュやコールなどの盛り上がりを見せています。さらに、タイの反政府デモでは替え歌が使用されるなど、社会的なメッセージを伝える手段としても活用されています。

まとめ

「ハム太郎とっとこうた」は、単なるアニメソングではなく、時代や世代を超えて愛される、普遍的な魅力を持った楽曲です。その誕生から現在に至るまでの軌跡は、日本の音楽史においても特筆すべきものと言えるでしょう。

参考文献
* とっとこハム太郎 - 日本コロムビア

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