ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (サウンドトラック)

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』サウンドトラック概要

このアルバムは、2004年5月25日にリリースされた映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のサウンドトラックです。作曲と指揮を担当したジョン・ウィリアムズが、シリーズの第3作であり最後のサウンドトラックを作り上げました。本作では、「過去への窓」や「ダブル・トラブル」といった新たなテーマが導入されています。

サウンドトラックはロンドンのアビー・ロード・スタジオで録音され、アメリカでは2004年5月25日にリリースされました。ビルボード200チャートで68位、トップ・サウンドトラック・チャートでは3位を記録しました。映画自体は同年6月26日にワーナー・ブラザースによって公開されました。

受賞歴と再リリース

このサウンドトラックは、アカデミー作曲賞、グラミー賞（映画・テレビサウンドトラック部門）、およびワールド・サウンドトラック・アワードのベスト・オリジナル・スコア・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、その評価は非常に高いものとなりました。さらに、2018年には「ハリー・ポッター」シリーズの初期3作品の音楽を集めた限定版ボックスセットの一部として、完全版の2枚組CDがLa-La-Land Recordsによって再リリースされました。

収録楽曲の詳細

ルーモス！ (ヘドウィグのテーマ)

「ヘドウィグのテーマ」は、シリーズ全作で使用されている特徴的な楽曲です。『アズカバンの囚人』ではこのテーマがオリジナルの形で登場する最後の作品となります。不穏なメロディがチェレスタで始まり、その後フルートとハープへと展開します。

ダブル・トラブル

「ダブル・トラブル」は新学期のホグワーツを歓迎するために作られた楽曲で、ロンドン・オラトリー・スクール・スコラによって歌唱されています。歌詞にはウィリアム・シェークスピアの戯曲『マクベス』からの引用が含まれており、魔女たちが大釜の周りでおぞましいものを煮込むシーンのセリフが使われています。

過去の時間へ

この楽曲は、ハリーとハーマイオニーが逆転時計を用いて時間を遡る際に流れます。全曲を通じて時計の針の音が織り込まれ、時間の緊迫感が強調されます。弦楽器が展開するリズミカルな4音モチーフと、木管楽器による流動的な演奏が特色です。

ディメンターの結集

ハリーがシリウス・ブラックをディメンターから救う瞬間に流れるこの楽曲は、不協和音から始まりティンパニーの轟音、金管楽器のメロディへとクライマックスへ進みます。静寂を経て「パトローナス・ライト」のメロディに繋がります。曲の終盤は再び静けさに包まれますが、チェレスタの柔らかな音色が静かにエンディングを迎えます。

批評の声

映画音楽批評家たちからは、高評価を受けており、MovieCuesのArchie Wattは「これは2004年の音楽アルバムを代表するもので、映画ファンやジョン・ウィリアムズのファンにとっても必聴だ」と称賛しています。

このように、サウンドトラック『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、魅力的な音楽が詰まった作品であり、映画と共に多くの人々に愛され続けています。

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