ハルゼー・パウエル (駆逐艦)

ハルゼー・パウエル (USS Halsey Powell, DD-686)

ハルゼー・パウエルは、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦の一隻であり、その名は第一次世界大戦における卓越した指揮官の名誉を反映しています。この艦船は1943年にニューヨーク州スタテンアイランドのベスレヘム造船所で起工され、同年の6月30日に命名されました。指揮官W・T・マクガリーのもと、1943年10月に就役し、その後の戦歴で多くの重要な任務を遂行しました。

1944年の活動

1944年初め、ハルゼー・パウエルは航海訓練を終え、太平洋艦隊に加わるためノーフォークを出航しました。真珠湾に到着後、マーシャル諸島での上陸作戦に参加し、日本軍から米軍部隊を護衛しました。特に、潜水艦「伊32」に対する爆雷攻撃によって、ハルゼー・パウエルは大きな役割を果たしました。

3月のマーシャル諸島作戦後、5月末には真珠湾を発進し、マリアナ侵攻に備えた演習を実施しました。6月11日にはエニウェトクから攻撃部隊と共に出撃し、サイパン上陸作戦では日本の沿岸砲を撃破するなど、成功に寄与しました。この期間中、さまざまな任務を通じて敵艦艇と交戦し、成功を収めました。

その後、ハルゼー・パウエルはマリアナ沖海戦に参加し、さらに台湾沖航空戦での激しい戦闘に従軍。多くの日本の航空機を撃墜し、艦隊の防衛に貢献しました。レイテ沖海戦にも参加し、日本軍の動きを抑えるための重要な支援を行いました。

1945年の活動

1945年、ハルゼー・パウエルはリンガエン湾侵攻を支援し、続いて硫黄島戦では火力支援と空母護衛を担当しました。この戦闘では日本の航空機への迎撃を成功させ、艦隊の安全を確保しました。

沖縄戦では、再度出撃し、日本の特攻機による攻撃を受け、艦内に多くの犠牲を出しました。その後、修理を終えたハルゼー・パウエルは日本降伏後の戦後処理に参加。1946年にはサンディエゴで退役し、以降は太平洋予備艦隊での活動に移行しました。

朝鮮戦争とその後

1951年、朝鮮戦争の影響により再就役し、極東地域での作戦に従事。国連軍と共に海岸砲撃や火力支援を行い、敵勢力に圧力をかけました。1952年には再度米国に帰還し、訓練の後、再び極東に向けて出航しました。

ハルゼー・パウエルは、その後も数年間にわたり毎年西太平洋への巡航を実施し、地域の安定に寄与しました。1968年には韓国に移譲され、名前を「ソウル」と改称。1982年には廃棄されるまで、韓国海軍で活動を続けました。

受章や評価

この艦船は第二次世界大戦と朝鮮戦争における功績を称えられ、合計9つの従軍星章を受章しました。また、ハルゼー・パウエルはアメリカの海軍史において重要な存在であり、数々の戦闘で活躍した駆逐艦として、多くの艦と共にその名を刻んでいます。

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