ハルタ (漫画誌)

『ハルタ』とは

『ハルタ』(Harta) は、株式会社KADOKAWA（エンターブレインブランド）が発行する日本の漫画雑誌です。年10回刊で、毎月15日ごろに発売されます（1月と7月を除く）。定価は825円で、B5判の平綴じです。本誌だけでなく、増刊扱いの『Fellows!(Q)』、『ハルタオルタ』、『テラン』、Web漫画誌『ハルタオルタ』についても解説します。

概要

基本概要

『ハルタ』は、2008年 10月14日に隔月誌『Fellows!』として創刊されました。新人作家を中心に掲載するコンセプトで、連載作品だけでなく読み切り作品も多く掲載されています。2013年2月15日からは、誌名を『ハルタ』に変更し、刊行ペースも年10回刊となりました。

『ハルタ』の大きな特徴は、その実験的な試みにあります。不定期で販促小冊子が付属したり、分冊して発行するなど、他の漫画誌には見られない試みが数多く行われています。

創刊当初は『コミックビーム』と共にエンターブレインのコミック編集部で制作されていましたが、2009年4月にフェローズ編集部として独立しました。その後、編集部員数は変遷を経て、2021年1月時点では8人体制となっています。

初代編集長は大場渉氏で、2017年4月からは塩出達也氏が引き継いでいます。大場氏はその後、担当編集長という役職に移動しました。

発行形態

『ハルタ』は、漫画雑誌でありながら流通上はコミック扱いとなっています。そのため、書籍扱いの「ハルタコミックス」レーベルで発行されており、バックナンバーの購入が比較的容易です。

2009年8月まではエンターブレインが発行・発売元でしたが、その後、角川グループパブリッシング、角川グループホールディングス（現KADOKAWA）を経て、2013年10月からはKADOKAWAが発行元となっています。

2020年 6月16日からは、本誌の電子書籍版も配信されています。なお、『ハルタオルタ』は本誌に先駆けて電子書籍版が配信されています。

単行本

掲載作品の単行本は、2009年 9月15日から「ビームコミックス」レーベルで発行されていましたが、2017年4月15日からは「ハルタコミックス」レーベルに移行しました。単行本には、連載作品だけでなく、新人作家の読み切り作品を収録した短編集も多く発行されています。2016年7月からは、二宮香乃による月替わりの宣伝漫画「ハルタってどんなん?」が掲載されたリーフレットが封入されています。

特徴

掲載作家

『ハルタ』の最大の特徴は、新人作家の重点的な起用です。創刊時から「アニメや小説のコミカライズ作品を一切掲載せず、新人を中心とした誌面作りを行う」というコンセプトを掲げています。このコンセプトは、前身の『コミックビームFellows!』から受け継がれており、新人作家率が62.5%に達した創刊号は増刷されるほどの人気を博しました。

新人作家以外にも、森薫、福島聡、入江亜季など、『コミックビーム』から多くの作家が移籍しており、意欲的な作品を発表し続けています。『Fellows!』時代は隔月刊であったため、作家は月刊誌よりも長い期間をかけて原稿に取り組むことができました。そのため、本誌には画力重視の漫画家が多く集まっています。

現在では刊行ペースが年10回刊になっていますが、連載作品の多くは隔月、またはそれ以上のペースで掲載されています。

掲載作品と分冊

『ハルタ』は連載作品中心ですが、新人作家の読み切り作品も多く掲載されています。これらの読み切り作品が人気を得ると、連載化やシリーズ読み切り化されることもあります。掲載作品は1話あたりのページ数が多いため、『Fellows!』時代には1号に2話以上同時掲載されることもありました。

『Fellows!』時代には、刊行ごとにページ数が増加し、volume9からはほぼ毎号1000ページ以上となっていました。そのため、volume10とvolume11はAとBの2冊に分冊、volume16ではA、B、C、Dの4冊に分冊して発行されました。(Q)は分冊が追いつかなくなったことから増刊企画として刊行されました。これらのページ数対策が、『ハルタ』への誌名変更と刊行ペースが早まった理由の一つとなっています。

編集部側から作家への企画提案は基本的に行わず、各作品のアイデアは作家主導となっています。そのため、「原作：〇、作画：〇」という形式の漫画作品は非常に少なく、ほとんどの作品が個人名義となっています。また、連載開始・終了時期やプロモーションは、担当編集者の裁量で決定されます。

装丁

『ハルタ』は、その装丁にも特徴があります。見出し以外の煽り文がない表紙、自社広告を含む一切の広告要素を排除、漫画誌としては異例の帯仕様などが挙げられます。誌面にカラーページは基本的にありませんが、不定期で「カバー・ストーリー」や目次ページがカラーになることがあります。

次号予告ページは1人の作家ごとに2ページ使うことが多く、描き下ろしカットも使用されています。予告ページの見出しには掲載作家のイラストが彩られており、不定期で担当作家が変わっていましたが、『ハルタ』volume61からvolume77までは漫画形式での作家紹介となっていました。

これらの装丁は、刊行開始からコードデザインスタジオが手がけていましたが、2012年9月からは8823DESIGNへと変更されています。2023年現在、デザイナーは変わっていませんが、表紙や誌面全体のデザインはリニューアルされています。

評価

『ハルタ』は、その編集体制や誌面構成から、刊行当初より漫画情報誌で好意的な評価を受けていました。また、他の漫画雑誌編集長からは「日本で一番イカレてる漫画雑誌」と評されることもあります。

兄 弟誌

Fellows!(Q)

『Fellows!(Q)』は、2011年11月15日に刊行開始された兄弟誌です。本誌よりもさらに新人中心の誌面構成で、読み切り作品を中心に掲載していました。2012年 9月15日刊行の第3号「Q.E.D.」で刊行を終了し、『Fellows!』本誌に吸収されました。

ハルタオルタ

『ハルタオルタ』は、2019年9月14日に1号限定で発売された増刊企画です。ノーテーマ・ノージャンルの新作読み切り漫画のみで構成されています。2023年5月8日には、Web漫画誌としてもオープンしました。

青騎士

『青騎士』は、2021年4月20日に正式な漫画誌として刊行開始されました。これに伴い、『ハルタ』から複数の作品が移籍しました。

テラン

『テラン』は、2021年7月15日に刊行開始された増刊企画です。『ハルタ』が発売されない1月と7月に刊行される予定でしたが、第2号以降は刊行されていません。新作読み切り漫画が掲載され、カラーページも存在しています。

掲載作品

連載中

本誌では、多くの連載作品が掲載されています。作品によっては掲載間隔が変更されることもありますが、6月と12月刊行号は合併号扱いとなるため、ほぼ全連載作品が掲載されます。長期休載の予告がない作品でも、2回連続で掲載されなかった場合は休載扱いとなります。

本誌には、毎号各作家が「カバー・ストーリー」として4ページほどの漫画を巻頭に執筆していました。

連載終了

過去には多くの連載作品が終了しています。単行本化された作品には内部リンクが施されており、最新号で終了した作品は例外となります。

販促本連載

『ハルタヴァンガード』という販促本で連載されていた作品もあります。

Fellows!(Q)連載

『Fellows!(Q)』で連載されていた作品もあります。

公式ウェブサイト内連載

公式サイトで連載されていた作品もあります。

ハルタオルタ連載

『ハルタオルタ』で連載されていた作品もあります。

主な読み切り

本誌には、シリーズ化された読み切り作品も多く掲載されています。

前後編読み切り

本誌には、実質的に前後編の読み切り形式で掲載された作品もあります。

イラスト連載

本誌では、イラスト連載も行われています。

表紙・背表紙

『Fellows!』の表紙は、碧風羽が担当していました。背表紙には、他の作家による描き下ろしイラストが掲載されていました。『Fellows!(Q)』では、オリジナルイラストが表紙に使用されています。『ハルタオルタ』では、12名の作家によるオリジナルイラストが使用されました。『ハルタ』では、volume11までは隔号で掲載作家が表紙を担当、volume12からは持ち回り制、volume85からは染平かつによるイラストとなっています。

通常の漫画雑誌にある宣伝文は書かれていませんが、帯には宣伝文が、裏表紙には掲載作家一覧が書かれています。『ハルタオルタ』には帯がなく、宣伝文は表紙に記述されました。

読者コーナー

『Fellows!』volume2から読者コーナーが存在しており、掲載作家のイラストや4コマ漫画、ストーリー漫画などが掲載されています。

書誌情報

発行元や発売元は、時期によって変遷しています。2017年4月からは、KADOKAWA「ハルタコミックス」として刊行されています。

特別企画本

『ハルタ』では、様々な特別企画本が刊行されています。

Fellows!総集編乙嫁語り&乱と灰色の世界

森薫と入江亜季によるアンソロジーコミックです。「乙嫁語り」と「乱と灰色の世界」の他、同人誌掲載作品やラフ画などが収録されています。

Swimsuits Fellows! 2009

水着を題材とした描き下ろし漫画を収録したアンソロジーコミックです。

Awesome Fellows!

販促本に掲載された作品やカラー表紙絵を収録したアンソロジーコミックです。

Awesome Fellows! Perfect

厳選された販促本掲載作品やカラー表紙絵を収録したアンソロジーコミックです。

惑わせる女たち

魔性の女を描いた読み切り作品を収録したアンソロジーコミックです。

むすんで、つむいで

兄弟愛を描いた読み切り作品を収録したアンソロジーコミックです。

異種交流会

人外と人間の交流を描いた読み切り作品を収録したアンソロジーコミックです。

販促本

本誌の付録や応募者全員サービスなどで入手できる販促本があります。一般販売はされていませんが、掲載作品の一部は単行本に収録されたり、アンソロジーコミックとしてまとめられて一般販売されています。

主な付属小冊子

本誌を購入すると付属する小冊子で、様々なテーマで描き下ろし漫画が収録されています。

主な応募者全員サービス

応募券を貼り付けて応募すると、様々な特典が入手できる企画です。

主な定期購読特典

年間定期購読者向けの特典です。

掲載作品の映像化

『ハルタ』掲載作品の中には、アニメ化や実写映画化されたものもあります。

発行部数

『Fellows!』と『ハルタ』の発行部数は、時期によって異なっています。

新人賞

『ハルタ』編集部では、原稿持ち込みを募集しているほか、新人賞を主催しています。

ハルタコミックグランプリ

毎月募集していた新人賞です。数多くの新人作家を輩出しました。

八咫烏杯

プロデビューを確約した新人賞です。

その他

オールKADOKAWAによる縦スクロール漫画大賞など、他の新人賞にも審査として参加しています。

主なイベント・フェア・企画

イベント

原画展やサイン会など、様々なイベントが開催されています。

フェア

書店とコラボレーションしたフェアが開催されています。

企画

スタンプラリーや持ち込み企画など、様々な企画が行なわれています。

備考

2009年4月にフェローズ編集部が独立した影響で、インターネット上の交流サイト「空間コミックビーム」の運営が終了しました。

コミックビームFellows!

『Fellows!』の前身にあたるアンソロジーコミックです。全2巻で、新作読み切り漫画で構成されています。

脚注

注釈

出典

発売日出典

外部リンク

公式サイトや公式X（旧Twitter）アカウントなどへのリンクです。

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